04 2月

『道』203号 巻頭対談 カッシャイ・ラヨシュ 宇城憲治 「先哲の教えを今に活かす 生と死の伝統武術が伝えるもの」

『道』203号の巻頭対談に登場くださったのは、ハンガリーの乗馬アーチェリーの名手カッシャイ・ラヨシュ氏です。

カッシャイ氏は、祖先の遊牧騎馬民族から受け継いできた伝統武術である乗馬アーチェリーを今に復活させ、さらに古代遊牧民の伝説的な弓を現代の素材で再現したことで知られています。

カッシャイ氏の、馬上から矢を射るスピードと的を射抜く正確性はずば抜けていて、とくに、動いている的を馬上から射ることができるのは、世界でカッシャイ氏一人だと言います。

そんなカッシャイ氏の、理屈抜きの見事な演武のあとに行なわれた対談だけに、内容はスケールの大きい臨場感あるものとなりました。

伝統というのは、実際に「やってみせる」人、できる人が継承していくのだということを、まざまざと見せられたように思います。

「乗馬アーチェリーはあくまでもゴールではなく、私の人生において、なくてはならないものです。自分の成長のため、先祖から受け継いだものを継承するためのものだと思っています」

カッシャイ氏によると、ハンガリーのフン族の祖先は、約1000年前にアジアからヨーロッパにたどりつき、アジアのスピリットと心を持っているとのこと。

カッシャイ氏が語る言葉に、まさに日本の侍スピリットと迫力を感じる読者も多いのではないでしょうか。

それだけに、武術空手を通じて世界に日本の文化と心を伝えている宇城憲治氏との対談は、伝統とは何か、生きるとは何かを問いかけてくるものとなりました。

 

▽ カッシャイ氏 乗馬アーチェリーの妙技の一部をご覧いただけます ▽

[季刊『道』203号]