27 1月

季刊 『道』 179号 [巻頭対談] 金昴先・宇城憲治

~ 1月24日発売 季刊 『道』 179号より ~

【巻頭対談】
金 昴先 韓国伝統舞踊家・大日寺住職
宇城憲治 武道家・UK実践塾代表


「どんな国にも、『ありがとう』の表現、言葉はありますが、日本だけは、すでに済んだことに対して何回も何回も会うたびに感謝の心を表現しますね。
 これは本当に日本にしかない、めずらしい文化なんです。
 
 日本の方は感じていませんけれど、本当にすごい言葉だと思います。」

自分自身では気づかない良さを、外から教えてもらうことがあります。
当たり前のように受け継いできた文化を今一度見直して、次世代に大切につないでゆく大切さを私たちは忘れてはいないでしょうか?

韓国伝統舞踊 人間国宝後継者という地位にありながら、日本文化の価値を認め、その存続までもプロデュースする金昴先氏の生き方は、祖国への愛、家族への愛、人間愛に満ちています。

   *    *    *

<巻頭対談>
世界一美しい言葉「ありがとう」の文化を世界遺産に

【金】
お遍路さんがお寺に泊まりに来てご先祖の供養をして
祈願をする際は、たいてい皆さん、「商売繁盛」「家内安全」とか、
「身体健全」などを願われます。

ところがこのあいだある方が、「世界の平和のために祈願する」
とおっしゃったんです。私びっくりしました。
このお寺に嫁に来て18年、そんなことは初めてでした。

だから私、朝のおつとめの時、世界の平和の祈願を申し込んだ方は
どなた様ですかと聞いたんです。

そうしたら、男性が、「昨年18歳の息子を亡くしたので、
その息子の供養のために、妻と一緒に歩き遍路をやっていますが、
世界平和のために祈願したい」とおっしゃるんです。

私はそれからずっと1週間、
「どうして、どうやって、世界を平和にできるか」を考え続けたんです。

そして、その方法がわかったんです。

それは、「日本が頑張ったら世界の平和が実現する」ということです。
本にも書いたのですが、うちの息子が、住職になると決意した時、
こんなことを言ったのです。

「四国の四つの県(徳島、高知、愛媛、香川)は、
 徳島の「徳」、高知県の「高」、愛媛県の「愛」、香川県の「香」で、
 徳が高く、愛の香りのある国、四国。四国は誠の愛の香りのある
 お遍路さんが寄ってくるところだ」って。

息子の話を聞いて考えると、それは私が徳島にお嫁に来て以来、
ずっと私自身が感じていたことでした。
私は舞踊の世界のなかで世界各国全部まわりました。
北朝鮮だけは行ったことがありませんが、北朝鮮と親しい
キューバまでも行ったことがあります。

そのなかで、一番優しい言葉、一番美しい言葉は日本語でした。
それは「ありがとう」という言葉です。

どんな国にも、「ありがとう」の表現、言葉はありますけれども、
日本だけは、済んだことに対して何回も何回も会うたびに
感謝の心を表現しますね。
これは本当に日本にしかない、めずらしい文化なんです。

翌日に会っても、「昨日はありがとうございました」。
1週間たっても、「このあいだは、ありがとうございました」。
1年後に会っても、「その節はありがとうございました。
いつもお世話になり、ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします」と。

私は本当にすごい言葉だと思います。
今日本の方々が夢中になっている韓国ドラマにも
こんな表現は出てきませんよ(笑)。

この「ありがとう」という基本的な精神はどこから出たのでしょうか。
これは四国から出た文化なんですね。
お大師様の文化です。

何回も何回も済んだことに対してお礼を言う精神。
この精神を、そして四国のお接待の精神、お大師様の精神を、
日本が世界に向かってお伝えすれば、絶対に世界平和が実現するんです。

【宇城】
素晴らしいことだと思います。
また世界平和への法則を説いていただき、その原点が
まさにこの四国のお遍路さんと心にあることを。

   *    *    *

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