27 4月

『道』204号 インタビュー 比嘉照夫「微生物が教える共生する生き方」

EMの開発者で琉球大学名誉教授の比嘉照夫先生にお話を伺いました。

EM(Effective Microorganisms)とは、聞きなれない言葉ですが、一言でいうと、善玉菌の集合体

もう少し詳しく言えば、

農地や水環境の改善に威力を発揮する光合成細菌や、発酵型の乳酸菌、酵母など、人にも環境にもやさしい善玉菌の集合体のことを言うそうです。

この善玉菌たちのすごいところは、汚染された水や土を浄化させたりなど、実にいい働きをたくさんしてくれるところです。

一例をあげれば、

塩害被害を受けているところを再生させたり、
ヘドロが堆積して臭く汚い川をよみがえらせたり、
農作物の質や栄養を倍増させたり、

さらには放射能を消滅させたりもするのだそうで、本当にすごい。

1982年に比嘉照夫先生によって開発されたこのEMは、現在、農業はもとより河川浄化や環境、健康、建設、放射能対策などの分野で150ヵ国以上で利用されていると言います。

つまり、実績も長いし、多いのです。

しかし、様々な利権のために、これまでマスコミではほとんど報道されることがないのだそうです。

多くの誹謗中傷を受けたりもしたそうです。

私たちも、前号(203号)で、このEMについを映画化した、映画監督の白鳥哲氏に取材するまでは、EMのことを知りませんでした。

子供の頃から農業の指導者を志していた比嘉先生は、高校、大学、大学院と、沖縄農業の合理化と発展を目指し、徹底的に近代農業を研究実践されてきたそうですが、その過程で、自ら農薬中毒症になり、挫折してしまいます。

その体験から比嘉先生は

「原理はすべて自然にある」

と、一転、微生物研究に徹し、その研究のなか、まったくの偶然が重なって、EMの発見につながったと言います。

「EMの技術を活用して大宇宙に恥ずかしくない地球にしたい!」

と語る比嘉先生に現在の活動に至る思いと歩みをじっくり語っていただきました。

 

[季刊『道』204号]