21 4月

【どう出版 メルマガ】 今、届けたい言葉 〈【対談】小川三夫 宮大工棟梁  宇城憲治 UK実践塾代表〉

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└◆ どう出版メルマガ  (2023年4月21日)

◆◇ 今、届けたい言葉 ― 最新号『道』より―
◇ 【対談】小川三夫 宮大工棟梁
◆      宇城憲治 UK実践塾代表

【宇城】
本日はよろしくお願いいたします。
前回対談させていただいたのは、
2010年の11月でしたが、その時の多大な教えは
昨日のことのように覚えています。

【小川】
この前の対談の『道』(167号)を読んだんだけど、
あんないいこと言えないな、もう(笑)。

【宇城】
本当にいいこと書いてありますよね。
今読み返しても新鮮さを感じます(笑)。

ここ最近、心に思い当たることがあって
小川さんのご著書『棟梁』を読み返していたのですが、
まさに、このタイミングで対談させていただくことになり、
感謝の気持ちで参りました。

現在ITやAIなどの技術が発展し、
とくにAIの進化はめざましく、名門大学の
MBA(経営学修士)合格レベル、
医師資格試験合格レベルまで達していて、

これまで知的労働作業はAIに
とって代わられないと言われてきましたが、
チャットGPTの登場で一気に形成が
逆転してきていることが報告されています。

一方で「人は人、自分は自分」すなわち
「人は他人」というように、

人間が「人」に成り下がっている現在の姿が
浮かび上がってきますが、ご著書『棟梁』に
書かれているあり方はまさに人間としての
生き方の指標を示すバイブルとも言えるのではないでしょうか。

江戸時代の剣術に三つの勝ちという教えがあり、

「打って勝つは下の勝ちなり。
勝って打つは中の勝ちなり。
打たずして勝つは上の勝ちなり」

すなわち
「戦わずして勝つ」ことこそが最上であると。

そこに至る道のりを極めようとすると、
内面の心のあり方によって可能となる「陰と陽」とか
「虚と実」「無力化」といった術技が絶対となるのですね。

そういう術技を可能とする内面の本質とは、
中心の存在とその奥にある芯にあると思っているのですが、
まさしくご著書にある、木の「芯と面」の言葉に
強く惹かれました。

【小川】
面仕事と芯仕事というのがある。
芯仕事というのは、木の芯(真ん中)を見つけて、
糸墨を打って、そこから計算して仕事をすることだ。

その芯から計算して、ほぞ穴を掘ったりする。
昔は真っすぐなところのない、曲がった木をそうやって使ったんだ。

製材所ができてからは、真っすぐな
面の通った木しか使わなくなった。

面を通すとは、製材してすーっと真っすぐにすること。
面が通ってないと、機械に入れて切ったり、
加工したりできないからね。

そうすると面で計算して仕事をするわけだ。
それが面仕事。

建具なんかは、面仕事でいい。
材の大きさが決まっているから、面からみな計算できる。
面仕事というのは、面が決まっているからできる仕事。

そうすると面が通らない、曲がった木は
山に置いて使わない。ほかしておけ、というふうになる。

しかし曲がった木には力があるんだ。
素直に真っすぐに育たずに、
ひねくれて育った木というのは案外力がある。

山で真っすぐに育たずにひねくれて育った木は、
「あてがかたった木」というのですが、
「あて」というのは、木の異常に発達したところ。

どういうふうに育つかというと、たとえば、
大きな山の中で真っすぐに静かに育っていたけれども、
前の木が倒れたと。
そうすると一気に陽の光があたるようになる。

一気に陽の光があたると、木というのは
細胞が異常に発達するわけだ。

そういう木を「あてがかたった木」と言うんだ。

ひねくれもんだから、使うのに毛嫌いされる。
しかし、家を作るんだったら、素直に真っすぐ育った木は
屋根を支えるのに弱く耐えられず負けてしまうけれど、
その「あてがかたった」ひねくれた木は強いんだな。

その木が今は、使いづらいからと山に
置いておかれてしまう。
もったいない話だけど、そういう木を使える人が
いなくなったからだ。

昔は、山の木を全部使うという根性を持っていた職人が
いっぱいいたんだ。

どんな木でも、その山の木を伐ったら、
「その木を全部使う」というふうにしていたんだ。



*  *

技を伝え人を育てた宮大工・西岡常一棟梁のもとで
法輪寺や薬師寺の再建を担った小川三夫氏。

独立後は鵤工舎での設計施工で130寺社を超える実績を持つ。

氏の著書『棟梁』には、そうした鵤工舎の偉業の礎の
第一歩は集団生活にあり、そのなかで弟子たちが
宮大工としての必要な技と心を身に付けていく様子が綴られている。

まさに教育者や現代の若者たちの生き方バイブルだ。

『棟梁』には人間としての心得と生き様が
随所に書かれており、対談ではその要所要所を
宇城氏が取り上げる形で、具体的に語り合っていただいた。

<巻頭対談>
限りなく湧く知恵
木を活かし、人を育てる

季刊『道』216号
https://www.dou-shuppan.com/dou216-lp/
☆ 内容の一部をお読みいただけます。

定期購読のお申し込みはこちらです。
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◆◇ ご案内 季刊『道』交流イベント
◇  2023年11月23(木・祝) 一ツ橋ホール

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2023年11月23日(木・祝)
東京・一ツ橋ホール

<登壇者> (敬称略)
宇城憲治/岩井喜代仁/金澤泰子/山元加津子/佐々木隆/野村哲也
工藤清敏/前島由美/安藤誠/野中ともよ/増川いづみ

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日本人の真の強さとその心の復活を願って発信する季刊誌です。
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