18 3月

季刊『道』179号 佐藤美南さん『ありがとう』感謝の気持ち

寄り添う心で 被災地の今  「宮城県南三陸の今」佐藤美南

「『ありがとう』感謝の気持ちを
素直に伝えることの大切さを学びました」

―― 高校生語り部「まずもって」
南三陸町志津川高校1年 佐藤美南

(佐藤さんは学校で被災。不安な一夜を友達と過ごし、翌朝家族と再会。
避難生活が始まる。)

・・・気仙沼に親戚が多くいるのですが、気仙沼の町が
燃えていると聞いた時に、母は、もしかしたら皆危ないかもしれないと、
とても心配していました。
だからと言って自分たちも被災してしまっているから
行けるわけでもありません。
本当に無事を祈るしかありませんでした。

やっと携帯電話が使えるようになった時に、電話やメールで
親戚の安否確認をしたのですが、一人だけ、小さい頃から
とてもかわいがってくれた伯母と連絡がつきませんでした。

母の姉なのですが、妹である母のこともいつもかわいがり、
母もその伯母をとても尊敬していたので、
自然と私たちもそうなっていました。

その伯母と連絡がとれない。
私は、それが本当に辛かった。
私は、「もう駄目なんだな」と、心の中で思っていたのですが、
「どこかにいるはず」という気持ちがありました。
私にとって身近な人の死は伯母が初めてでした。

本当に、もうお別れという時に、
「私はたくさんのことを伯母にしてもらったけど、
私は何をしてあげたかな」と思い、「何もしていないな」と。
私は感謝の気持ちすら伝えていない、
「ありがとう」の一言をなぜ言わなかったのだろうという
後悔の気持ちが沸き起こりました。

伯母に、ちゃんと最後には「ありがとう」と伝えたのですが、
もちろんそれに応えてくれることもありませんでした。
今でも、なぜ、あの時、何かをしてもらった時にすぐに
「ありがとう」と伝えなかったのだろうと思います。

それから私は、家族や友達に対し、心に思った時はすぐに
言葉にすることを心がけるようになりました。

私はこの語り部の活動を通してこの震災で学んだ、
「言葉にすることはとても大切なこと」ということを
伝えていきたいと思っています。・・・・

(はじめは語っているうちに
涙で話せなくなることもあったという佐藤さん。
それでも「逃げていても何も始まらない」と
語り部を続けてきました。
インタビューは、この活動を通して得たこと、そしてこれからの
夢について、続いていきます。)

     *    *    *

以上の佐藤美南さんの思いに寄せられた読者の感想をご紹介します。

・・・・一番感動して、泣いたのは、佐藤美南さんの記事のところです。 私は、あの、佐藤さんの写真を観ただけで涙が溢れてきてしまいます。 何度観ても、涙が溢れてきてしまい、なかなか、読み進めることができません。 自分は、もうどっぷりと大人なのに、何をやっているのだろう?、自分には何ができるのだろう?と、痛いほど考えさせられました。

そして、私の夢に一つ、新たな夢が加わりました。いつか私が自然栽培の農業に成功し、それで食べていけるようになったら、 できた農作物は、まず、佐藤さんをはじめとする、福島の子どもたちに食べてもらおう、せめて、食べ物だけでも、とてつもなく恐ろしい内部被曝の恐れのないものを食べてもらいたい、 私はこの福島の子どもたちの為に、私の人生の凡てを賭けてこの自然栽培の農業に取り組もう、と想いました。

宇城先生が「大河にコップ一杯の水」、木村先生が「ハチドリの一滴」と常々おっしゃるように、私はそれをやっていきたいと想いました。私には、それしかできませんから。

(岡山 農業 20代 男性)

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