【どう出版 メルマガ】 今、届けたい言葉 〈安藤誠 ネイチャーガイド・写真家〉 「それは我々人間の子育てとなんら変わりない世界」
┌┐
└◆ どう出版メルマガ (2025年10月14日)
本書 紹介動画
◆◇ 今、届けたい言葉 — どう出版の本より —
◇ 安藤誠著 『原野から』

クマの魅力は一度に書ききれないほどあるのだが、
なんと言ってもその魅力は人間が武器を持っても
1対1では確実に勝てない圧倒的な強さと、
母グマと子グマや兄弟間に代表される
愛情の深さだろう。
椋鳩十氏のツキノワグマの物語には、
我が子を守るために考えられない高さの滝から
飛び込む話がある。
またシートン動物記の『灰色グマのワーブの一生』の
灰色グマの物語は有名だ。
私自身もヒグマの観察から何度も
胸を打たれるようなシーンに遭遇している。
知床で出会ったヒグマの3兄弟は、
小さい一番下の弟が母グマに遅れると、
大きい一番上の兄がちゃんと止まって
弟がついてくるまで待っていた。
母親が先に行ってしまってもだ。
また、母グマが森の木の下や海岸の岩場で、
愛おしそうに我が子を優しく舐めているシーンや、
捕獲が難しい状況でも決して諦めずに
横で待つ我が子のために何度も川に飛び込んで
サケを捕まえようとする姿など。
苦労してやっと獲ったサケを
ただちに我が子のもとに届けるその姿に、
母グマの純粋さや愛情深さを感じ、
今、思い出しても胸がじーんとする。
それは我々人間の子育てと
なんら変わりない世界でもある。
いやむしろクマたちの正直さや真面目さは、
我々が見習わなければならないところではないだろうか。
クマの人身事故や畜産や農作物などの
被害だけを取り上げて、彼らの世界については
何も情報を出さず、理解しないのは残念に思う。
フランスの「ザ・ベアー」という映画は、
日本では「子熊物語」として紹介された
クマの目線と立場で捉えた非常に珍しい映画だが、
子供はもちろん大人にも見てもらいたい映画のひとつだ。
昨今のテレビや映画は、クマとの事故や事件を描くことで、
クマに対する人の悪いマイナスな感覚や価値観を
増幅させるようなものが主流だが、
そんななか、心から共感できた映画でもある。
そもそもクマや樹木や植物も含めた
人間以外の生き物たちにも生きる権利や生活があることや、
それらの命を時にはいただいて
我々は生きているという感謝の気持ちや感覚を、
今一度、取り戻さなくてはならないと思う。
・
・
・
・
——— 第4章「安藤誠の世界 エッセイ集」より
安藤誠著『原野から』
◆◇ 講演会「安藤誠の世界」 〈11/5〉
◇ 申込受付中
「自然はごまかさないし、嘘がない。
だから本物に触れ、ぶれない感性を磨く。
日々変わっていく世界を生き抜く力は、
大自然の変わらぬ営みにこそあるのだ」
季刊『道』で毎号、すてきな写真とエッセイを掲載くださる
ネイチャーガイド・写真家の安藤誠さん。
自然との関わりから、
ガイドとして写真家としてのプロの矜持まで、
「安藤誠の世界」を展開いただきます。
●講演会「安藤誠の世界」
2025年11月5日(水) 19:00〜 (開場18:30)
町田市民ホール (第4会議室)
入場料:3000円
詳細・お申し込み
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
季刊『道』は
日本人の真の強さとその心の復活を願って発信する季刊誌です。
理屈抜きに「やってきた」方々の深みある人生や熱い思いが、
読者の皆さまの生きる原動力となることを願っています。
年4回発行
年間購読料: 5,000円(税込・送料無料)
お申込みは、お電話(042-748-2423)
またはホームページからお願いします。
http://www.dou-shop.com/hpgen/HPB/entries/8.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆ どう出版Facebookページ
http://www.facebook.com/doushuppan
※このメルマガは、季刊『道』(どう)編集部が発行する、
日常の活力となる「元気」をお届けするメルマガです。
※本メルマガの配信停止、アドレス変更は
以下のページでお手続きください。
○ 登録・解除ページ
https://qyo.y-ml.com/form_if.cgi?id=dou_mm
○ アドレス変更
https://qyo.y-ml.com/form_if.cgi?id=dou_mm&modify=1
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
−文武に学び未来を拓く− 季刊誌 “道(どう)”
===============================================
どう出版へのお問い合わせ(フォーム)
—————————————
TEL 042(748)2423
FAX 042(748)2421 (24時間)
===============================================
