【どう出版 メルマガ】 今、届けたい言葉 〈谷津賢二『荒野に希望の灯をともす』監督〉 「正直『これドキュメンタリーになるのかなあ』と思いました」
◆◇ 今、届けたい言葉 — 最新号『道』より—
◇ 谷津賢二『荒野に希望の灯をともす』監督/報道カメラマン
(最初からそういう辺境の地での取材を予
定されていたのですか)
はい。
それが取材のターゲットでした。
「巡回診療キャラバン」というのですが、最初は十分
ドキュメンタリーになるとふんで行ったんです。
ただ中村先生はサービス精神が旺盛な方でもないし、
いつも静かにされている方で、最初の頃は
中村先生の凄みや本質みたいなものは分かりませんでした。
馬に乗って山に入っていくのですが、
ドキュメンタリーというのは、許される限り
カメラをずっと回してプロセスを撮っていき、
そのたくさんの映像素材を30分や1時間番組に
編集をするのです。
その時も中村先生がどんな雰囲気とどんな表情で
辺境に分け入っていくのかを撮影しなきゃいけない。
それで時々馬から降りて、中村先生の前になり後ろになり、
いろいろ撮影をしたのです。
ですが、中村先生に心の中で
ごめんなさいと言いながら話しますが、
どう撮ってもかっこよく見えなかった(笑)。
顔のクローズアップを撮るのですが、
馬上で目が半分閉じたようになっていて眠そうな表情な上に、
くわえタバコ。
どう見ても冴えないおじさんにしか見えなかった(笑)。
2日間馬に乗って、最初の診察地という
3600メートルの場所に着いた。
でも、そこには村はおろか
人っ子一人いないのです。
戸惑った顔をしていた私に中村先生は
「まあ、あせらずに待ちましょう」と言って、
皆が忙しく準備を始めるなか、ゴロンと横になって
いびきをかき始めてしまったんです(笑)。
正直「これドキュメンタリーになるのかなあ」
と思いました。
でもその私の見立てが浅はかだったことが
次の日に分かるのです。
次の日の朝早く人の気配がするので外を覗くと、
遠い山の端から老若男女が
どんどん近づいてくるのが見えた。
前の日に出会った遊牧民が「医者が来たぞ!」と
近隣の山を伝令のように走ったらしいんですね。
すると、集まってくる人々を見ている
中村先生の後ろ姿がそこに見えたんです。
標高が高くて寒いので
中村先生は前の日からマフラーを使っていたのですが、
なぜかほっかむりにして、ご自分で
「田吾作のようでしょう」と言っていたのです(笑)。
私は「首に巻けばいいのになあ」と思っていたのですが、
その朝も後ろ姿からほっかむりされているのが分かりました。
中村先生にご挨拶しようと近寄っていき、
先生に向き合って「おはようございます」と言ったのですが、
その時の先生の顔がもう一変していたのです。
目にはものすごい力が宿り、
口が真一文字にグッと結ばれていて、
「医師中村哲」の顔になっている。
27年前のことですが、
今でもありありとまぶたに浮かぶんです。
前日までの半眼でトツトツと語る雰囲気は微塵もなく、
気迫がみなぎっている。
あまりの違いにものすごく驚きました。
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アフガニスタンで人道支援を行ない
6年前に凶弾に倒れた中村哲医師を、亡くなるまで取材を続け、
その活動記録を劇場版『荒野に希望の灯をともす』として公開した
谷津賢二監督。
映画は2022年の初上映以来
15万を超える人が鑑賞したという。
谷津監督は中村医師がなぜあれほどまでに現地の人を慈しみ、
また敬愛されたのか、その問いの答えを見つけるために、
21年間中村医師の背中を追い、
1000時間以上の映像を撮り続けた。
会見では、中村医師から学びとった
カメラマンとしてのあり方や、
中村医師の信念、目指したもの、人となり、
そこから見えてくる普遍の人間愛などを語っていただいた。
<ロングインタビュー>
人は愛するに足り、真心は信ずるに足る
— 医師・中村哲を見つめ続けた21年 —
季刊『道』226号
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