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【どう出版 メルマガ】  今、届けたい言葉 〈加納佳世子 加納美術館名誉館長〉 「骨になる前に、敵も味方もない世の中にしなくてはならない」

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└◆ どう出版メルマガ  (2025年5月1日)

◆◇ 今、届けたい言葉 — 最新号『道』より—
◇  加納佳世子 安来市加納美術館名誉館長

(お父様の加納莞蕾〈かんらい 本名 辰夫〉さんは
どのような生い立ちでいらしたのでしょうか)

私は莞蕾が40歳の時の子供ですので、莞蕾の父
つまり私の祖父である梅左衛門には会っておりませんので、
当時の様子は兄や姉や周りの人から聞いています。

梅左衛門は、「代々この布部の土地に生きる者は、
敵も味方もない世の中を作る使命を負わなければならない」
と言っていたと聞いています。

このことは私が子供の頃に莞蕾もよく言っていました。
この辺りは戦国大名の尼子が毛利と戦って敗れた古戦場で、

昔からここに住んでいる百姓たちは田んぼを耕すと
骨が出てくるので、それを粗末にせず
無縁仏として葬っていたのだと。

骨は尼子の骨なのか毛利の骨なのか分からない。
骨には敵も味方もないが、骨になる前に、
敵も味方もない世の中にしなくてはならない。
それがここに生まれた者が考えることだ。

だから「お父ちゃんは敵も味方もない世の中をつくるのだ」
と言っていました。

梅左衛門の頃は、この辺りの田んぼはほとんど加納の土地で、
たくさんの小作の方がいて裕福だったようです。

梅左衛門は、明治の時代に東京の明治法律学校で
勉強していたのですが、当時、夏目漱石の本の挿絵を
書いていた人とか、早稲田の学生でのちに労働農民党の
委員長となる大山郁夫など、
民主的な活動をなさる方と割と近いところにいたようです。

しかし農家の長男であり、親戚も許しませんから
「帰って来い」と言われて帰ってきて結婚し、
生まれた子供が辰夫(莞蕾)でした。

自分の思いが遂げられなかったこともあり、
莞蕾を大変可愛がりまして、4歳の頃から
いろいろなことを教えたと言います。

梅左衛門は知識欲が旺盛で東京から本をたくさん取り寄せたり、
俳句を詠んだり茶の湯の道を極めるなど
田舎では変わった文化人だったようです。

新しい生き方、新しい考え方を自分の息子に、という思いが
強かったのではないでしょうか。

梅左衛門は農家の仕事はあまりせず、
周りの人によく文章や宛名を書いてと頼まれては
お礼をもらったりしていて、
それを貯めて骨董を買い集めていたようです。

それは自分は体が弱くそう長くは生きられないかもしれないから、
子供に教育を受けさせるためということだったようです。
今は備前焼きの壺が一つ残っているだけですが。

また、当時この辺りでは「名子」という制度があって、
近所の家の人が地主に娘をよこして仕事をさせ、

その子がお嫁さんに行く時は個々の家からではなく
地主である家が用意するという、
非常に上下関係の強い制度があったようですね。

梅左衛門は「人に上下をつけることは良くない」と言って、
この制度をやめさせています。

また人の名を呼び捨てにすることは
家族でもさせませんでした。

そういう「人に対しての公平感」とか、
「人権を守る」というのは、
莞蕾につながっているのかなと思います。



*  *

加納莞蕾(かんらい)は、島根県出身の画家。
戦時中は従軍画家として中国山西省に渡る。

戦後は元海軍少将との出会いがきっかけとなって
フィリピンの日本人戦犯の赦免嘆願活動を開始、
当時の大統領キリノ氏らに300通を超える手紙を4年間出し続けた。

キリノ大統領は自らの妻子や親族を日本軍に殺されながらも、
次世代に「憎しみの連鎖」を残さないという信念のもと、
100名以上に及ぶ日本人戦犯釈放を決断した。

莞蕾は大統領の「赦し難きを赦す」思いを
自らの課題として向き合うことが平和のスタートだとし、
73歳で亡くなるまで多くの人に大統領の思いを伝え続けた。

幼い頃から身近に接してきた莞蕾の四女で
現加納美術館名誉館長の加納佳世子氏に
莞蕾の生き方、人となり、さらに、佳世子氏自身が
次世代に伝えたい莞蕾の思いについて語っていただいた。

<ロングインタビュー>
憎しみの連鎖を断ち、平和を築く種子をつくる
— 加納莞蕾の生き方に学ぶ —

季刊『道』224号

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