22 3月

【どう出版 メルマガ】 今、届けたい言葉 〈坂野晶 一般社団法人 ゼロ・ウェイスト・ジャパン代表理事〉

┌┐
└◆ どう出版メルマガ  (2024年3月22日)

◆◇ 今、届けたい言葉  ― 季刊『道』より―
◇  坂野晶 一般社団法人 ゼロ・ウェイスト・ジャパン代表理事
(ごみ問題も「いいこと」だから皆が賛成するわけではなく、
いろいろ難しい面もあったのでは)

「環境のため」と言っても人によって
響くところが違っていて、いろんな価値観があると思うのです。

ですから皆さんが「やってみようかな」と
引っかかるフックをいかにたくさん作れるかが大事だと思います。

特に上勝町だと「環境のため」というよりも、
「これで税金がセーブされる」「お金になるよ」
と言ったほうが分かりやすい。

それだけで結構やる気になってくださったりする。
地域や属性によって引っかかるポイントが違います。

また、政策や取組内容の透明性を大事にして
お伝えしていくことはすごく大事だなと思っています。

それと日常生活の中での習慣化が進むと、
考えなくてもやれるようになります。

ごみをゴミステーションに持っていってしまえば、
分けるのは数があってもそれほど難しくない。

ただ「持ってくる」という習慣と、持って行く前に
最低限家庭で綺麗にしてもらうなどの習慣化ができていれば、
行動としてのルーティンになるので、
あとはあまり意識は関係なくなります。

一方で長年やっていると日常化しすぎて
皆さん「なぜやっているのか」というのが
なくなってくる可能性があります。

それはそれでリスクだなと思っていて、定期的に
「なぜ大事なのか」のリマインドは
すごく大事だと思っていました。

(上勝町では45品目にもわたる分別が
行なわれているなど、その徹底した実践のあり方は、
ひとつのモデルとして他の自治体にも示しやすいですよね)

上勝町のゴミステーションは昔から工夫をされ続けて
今の状態になっています。

そのごみがどこに行って何になるか、キロ単価で
いくらになるのかというのが全部書かれているので、
現場のスタッフも「ちゃんと分けてくれたら
お金がいくら入ってくる」と言いやすい。

やはりコミュニケーションのツールになるものを
作っておくことはすごく大事だなと思いますね。



*  *

徳島県の山間に位置する人口約1500人の上勝町は、
2003年に自治体としては日本で初めてごみをゼロにする
『ゼロ・ウェイスト宣言』を行なった。

以来45分別や資源を循環させる取り組みを続けてきた
上勝町は、80%以上というリサイクル率を誇り、
世界でも注目を集める。

坂野晶さんは、この活動に奔走するNPO法人
ゼロ・ウェイストアカデミーの代表を5年間つとめ、
様々な改革を行なってきた。

現在は、一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパンの代表理事として、
各地の団体や自治体とともに、ゼロ・ウェイストの導入を推進する。

世界でますます深刻化するごみ問題をテーマに、
解決への仕組みづくりや人材育成に取り組む坂野さんに、
活動への思いや今後の展望を伺った。

<ロングインタビュー>
ごみゼロ取り組みからの出発視座を広げ新たな道へ
― ごみゼロ取り組みからの出発 ―

季刊『道』212号
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22 3月

【どう出版 メルマガ】 今、届けたい言葉 〈季刊『道』の連載者と読者の集い〉

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└◆ どう出版メルマガ  (2024年3月21日)

◆◇ 今、届けたい言葉 ― 最新号『道』より―
◇  季刊『道』の連載者と読者の集い
◆ 【鼎談】 野村哲也 写真家
安藤誠 写真家・ネイチャーガイド
佐々木隆 銀河浴写真家
◎鼎談(司会 野中ともよ)

【野中】
お三方は『道』の誌上ではいつもご一緒ですが、
今回こうして生でお会いするのは初めて?

【野村】
今回は人とか物撮りではなく自然を撮られている
写真家同士なので、基本的に僕は同じだと思います。

みんな地球が、自然が好きで好きでしょうがない、
写真よりも現場にいるのが好きというのが
3人とも多分共通していることじゃないかなと思います。

星を撮る時は(佐々木先生のように)やっぱり
哲学的な方が多いです。
夜の場合は内面が現われてくるので。

安藤さんの「ここは無言でいるべきだ」という話、
もう本当に当然だなと。

ガイドからではなくて自然から教えてもらえるように
導くのがプロフェッショナルガイドなのだと。
まさに安藤さんそのままだなと。

【野中】
安藤さんは静か~ににこやかに座っていらっしゃいますが、
日常も静やかなんですか(笑)。

【安藤】
僕は話を聞いていました(笑)。
人間の世界には静かとか賑やかな子がいて、
「あなた何でそんな内気なの、暗いの」とか
言われる子がいますが、そんなことは全然なくて、
陰と陽じゃないですが、バランスがあると思うんです。

それが1日の中で明るい時も暗い時もある。
たとえば今僕の目の前にイタリアのオートバイが来たら、
僕はすぐさま立ち上がって見ると思います(笑)。

でも普段では座ってます、というのと一緒で、
どっちが良いとか悪いとかってないですよね。

さっきもコンペの話をしましたけど、
戦っている人間が「ナンバーワンではなくオンリーワンがいい」
と言うのは説得力があるんですけど、
戦わない人間がいくらそれを言っても納得できない。

なので僕はどちらかと言うと、
戦ってやっていくという考え方です。

【野中】
なんか、かっこよすぎません? (笑)。
予備校教師から写真の道にはいったきっかけは。

【安藤】
先生時代も生徒を幸せにすることしか考えてなかったので、
時間外という概念も一切なく、僕と出会った子は、
幸せになれるようにしようと日夜考えていて、

ご飯を食べている時も、風呂に入っている時も
生徒のことをよく考えていました。

【野中】
それは写真機をもって?

【安藤】
はい。写真で幸せにしたいと思って。
写真を見た人が元気が出るとか、
この写真のキツネに気が入っているとか、
撮っているクマでもクマがリラックスしているのか、
クマの白目がちゃんと出ているか、毛が立ってないかとか、
そういうところを見てもらいたいと思いますね。

自然と人を繋ぐというのが僕の仕事なので、
自然側のことも理解して人のことも理解してないと繋げない。

【野中】
佐々木先生、先生の周波数、とても不思議ですよね。
おだやか~な高校のセンセ、にお見受けしますが、
あの大スケールの宇宙と語るパワフル写真。

うむ。自然の懐に入られて。
星を撮ろうとすると天敵はお月様ですか?

【佐々木】
月を使う場合もあります。
満月だと星は撮りにくいのですが、
海外だとそれも可能です。

日本では水蒸気が多すぎて無理なんです。
空気の乾燥度合いによって違ってきます。

その場で一番大事にしていることは、
「受け入れられるか」なんです。

天気予報では晴れで、「よし行くぞ」と行っても、
駄目な時は駄目で、風が吹いて欲しい時に吹かない、
吹いたらダメな時に吹いてくる。

そしたら「また来よう」と。

絶対合成はせず、その場でいただけるもので
撮っています。


*  *

去る2023年11月23日、東京千代田区の一ツ橋ホールにて、
どう出版主催「季刊『道』連載執筆者と読者の集い」が開催された。

季刊『道』はこれまで各界で活動する方々をたずね、
その生きざまの原動力に学び、そのエネルギーを
伝えたいと発信してきた。

当日は季刊『道』の執筆者が一人も欠けることなく一堂に会し、
また500名以上の読者が全国各地から参加。

12名の登壇者による熱気あふれる講演、対談、鼎談が
5時間にわたり繰り広げられた。

まさに『道』の実践者ファミリーが集った日。
日頃『道』で受け取っている連載者のエネルギーを直接受け取り、
交流する様子を抜粋してお届けする。

<特集>
季刊『道』の連載者と読者の集い
― 子どもたちの未来を守るために、いま私たちができること ―

季刊『道』219号
https://www.dou-shuppan.com/dou219-lp/
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19 3月

【どう出版 メルマガ】 今、届けたい言葉 〈季刊『道』の連載者と読者の集い〉

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└◆ どう出版メルマガ  (2024年3月19日)

◆◇ 今、届けたい言葉 ― 最新号『道』より―
◇  季刊『道』の連載者と読者の集い
◆  【鼎談】 宇城憲治 UK実践塾代表
野中ともよ ガイア・イニシアティブ代表
増川いづみ バイオ電子工学博士

【野中】
私はたまたまローマクラブ(地球の有限性という
共通の問題意識を持った世界の知識人で構成される
民間団体)の100人の中になぜか入って
執行部にもなっているのですが、

そこが何を言い始めているか。
「先住民の知恵に学ぶべきだ」と言い始めているんです。

【増川】
最先端技術が進むとともにどんどん破壊が進み、
極限までいってやっと人類が気づいた。
これからはネィティブ、自然から学ぶ。

【野中】
そのなかのアジア的日本的エネルギーの先生に
お近づきになれて光栄です。

宇城先生を知らなかった私と知ってからの私は
ぜんぜん宇宙人化が違います(笑)。

【増川】
私は割と合理的な考え方できたのですが、
先生を知って、すごい世界があるなと。

日本の人であれだけの気を使う人は初めてです。

【野中】
先生、今日の集まりのタイトルは
「子どもたちの未来を守るために、いま私たちができること」
これについて先生のコメントをいただかないわけにはいかない。

【宇城】
ニューロンが生成される年齢は0~10歳くらいがピークで、
とくに4~10歳頃までに色々なことを体験することが
重要だと言えます。

しかも今の常識や科学にないようなことを経験すれば、
それが未知の未来を形づくっていくことにもなる。

たとえば、1対4の腕相撲の力比べをしても
子供が大人に勝つんですね。

それは大人の力が対立構図をとっているのに対して
子供は自然体で調和構図をとっているからなんです。

これらの実証は、力のないはずの子供のほうが、
つまり調和力のほうが勝っているということを
教えてくれている。

まさに「気」の原理と似ているんですね。



*  *

去る2023年11月23日、東京千代田区の一ツ橋ホールにて、
どう出版主催「季刊『道』連載執筆者と読者の集い」が開催された。

季刊『道』はこれまで各界で活動する方々をたずね、
その生きざまの原動力に学び、そのエネルギーを
伝えたいと発信してきた。

当日は季刊『道』の執筆者が一人も欠けることなく一堂に会し、
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12名の登壇者による熱気あふれる講演、対談、鼎談が
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まさに『道』の実践者ファミリーが集った日。
日頃『道』で受け取っている連載者のエネルギーを直接受け取り、
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<特集>
季刊『道』の連載者と読者の集い
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18 3月

【どう出版 メルマガ】 今、届けたい言葉 〈16人の武道家会見集 『人間をつくる 武の道、武の心』〉

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└◆ どう出版メルマガ  (2024年3月18日)

本書 紹介動画
https://youtu.be/BRvxOWwUMpg

◆◇ 今、届けたい言葉 ― どう出版の電子書籍より ―
◇  16人の武道家会見集 『人間をつくる 武の道、武の心』

徳川の初期には教えを残した剣豪が
たくさんいるんですよ。

その人たちは全部、戦国時代の終わりに
真剣勝負の殺し合いをした経験者です。

その結果、人間が人間を殺すという無残さ、
それを自分の身体で知り、これからの武道は
そうであってはならない、

お互いが殺し合うのではなく、お互いが成長し合う、
そういうものでなければならんという実感を得た。

それが戦国時代から平和の時代まで生きてきた人たちの
腹の底から出てきた剣道観です。
私共もそうですよ。

敗戦が昭和20年ですね、私が兵隊に志願して
海軍飛行予科練生として行ったのは昭和19年8月です。

私は敗戦後20年の10月に帰ってきたのですが、
そのわずか1年くらいの間に、
特攻隊員がたくさん死んだのをこの目で見たのです。

ですから、人間が死ぬ惨めさ、それがクーッと
心に突き刺さっている。

もう頭がない、手がない、
それも皆17歳から20歳の少年兵です。

この人たちの無残な死に方――
少年たちがバラバラになって死んでいく。

そして、敗戦が8月15日でしょう。

私のその体験は16日のことなんです。
16日、敗戦の翌日の夕方、間違いの命令によって
多くの特攻隊員が死んだ。

まさに無駄死にです。
皆その胸にお父さん、お母さん、家族の写真を持っていた。

映画「戦艦武蔵」で、仲代達也が
「当時父母兄弟を守る、そういうつもりで戦争に行ったが、
結果的には誰も何も守れなかった」と呟く台詞がありましたが、
その通りですよ。

みんな結局何も守ることができなかった。
その虚しさ。それが、戦国の武士道から、
徳川時代の、平和を守る、平和を構築する武士道に
変わっていったのだと思うんですよ。

戦いで若い者がどんどん死んでいった戦争体験。
戦いで多くの相手を殺し、より多くのものを破壊する、
その虚しさを、理屈抜きに身体で知った体験があるからこそ、
武道は平和を守るためのものに変わっていく。

それが私の戦後の剣道の中心にすわっている。
武道はそういうものでなければいかんと思いますよ。

強さというのは、腕力的なものではなくて、
心の強さです。



――― 井上義彦 剣道範士
「『生きる』尊さへの気づきが、武道を命と結びつける」

*  *

大正、昭和の厳しい時代に武道修行を積まれてきた、
剣道、弓道、なぎなた界の師範方に、

自らの修行の様子、武道のあり方、指導者としての心得など、
じっくりお話しいただきました。

今求められる社会のリーダーとは。人間をつくるとは。
そのあり方のヒントにつながるインタビュー集です。

本書は電子書籍です。
Kindle、Koboなど電子ブックストアで購入いただけます。

詳細はこちらです。
https://www.dou-shuppan.com/ebook/bunomichi/

amazonでは【紙本】もあります。
https://www.amazon.co.jp/dp/4910001158/

どう出版の 電子書籍
https://www.dou-shuppan.com/ebook/

◆◇ 季刊『道』交流イベント
◇  アーカイブ動画

2023年11月23日(木・祝)に開催した、
「子どもたちの未来を守るために、いま私たちができること
―― 季刊『道』の連載者と読者の集い」のアーカイブ動画を
【オンライン視聴】いただけます。

<登壇者> (敬称略)
宇城憲治
岩井喜代仁
金澤泰子
山元加津子
佐々木隆
野村哲也
工藤清敏
前島由美
安藤誠
野中ともよ
増川いづみ
Yae(オープニング ミニコンサート)

5時間にわたる当日の一部始終を、
7つのコンテンツでいつでも、何度でも
ご覧いただけます! 定価3,000円(税込)

https://www.dou-shuppan.com/dou-special-event20231123/

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15 3月

【どう出版 メルマガ】 今、届けたい言葉 〈食養家 若杉友子〉

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◆◇ 今、届けたい言葉  ― 季刊『道』より―
◇  食養家 若杉友子
私の夫は昔ながらの亭主関白で
「女は働かなくていい」と言って私を働きに
出させなかったんですね。

私は17歳の終わりくらいに九州から東京に
働きに出てきたんです。
友達の親戚の呉服の小物屋さんでしたが、
そこで夫と出会って結婚し、転勤族だったので
あっちこっち行きましたが、最終的に静岡に落ち着いた。

それで、静岡に越したのを機に、働きに出られないので、
よし、ボランティアをやろうと、まず、
“せっけん運動”を始めました。
手づくり石鹸の作り方を教えたんです。

冷ごはんとみかんの皮と苛性ソーダと廃油と
熱湯と一斗缶と棒と卓上コンロがあれば、
一斗缶分の石鹸ができる。
それがあれば洗濯から何から全部きれいになるんです。

やっぱり食べることばかりでなく、
生活環境のこともやらないといけない。

洗剤がどれだけ水を汚しているのか
ということを考えていかないと。

今、水も空気も土もめちゃくちゃ汚れている。
だから地球温暖化になっているのですね。

そういう所から悔い改めて
進んでいかないといけないんですね。

枝葉ではなく根本が大事。
私はそのことをぜひ皆さんに
伝えたいと思っているんです。

今年11月もここで石鹸作りをやるんです。

当時は、いろいろなボランティアをして楽しかった。

ひとつじゃなくて、川のゴミ拾いしながら、
石鹸作りをしながら、独居老人にお弁当を
配ったりしながら(笑)。

全部「楽しい、楽しい」でやっているから、
人が集まってくるんですね。

今でもそうです。
お料理教室はすべてキャンセル待ちなんです。



*  *

「若杉ばあちゃん」の愛称で親しまれる、
食養家・若杉友子さん。

今年81歳になる若杉さんは、自然の営みに則り、
野草や旬の食材をいただいて、その力を
自分のいのちに変える術を全国の講演や
料理教室で伝え続けている。

目も耳も脚も達者ではつらつと活動する
若杉さんのエネルギーの源は何か。

若杉さんの綾部の活動拠点を訪ね、
お話を伺った。

<ロングインタビュー>
自然の力を命の力に
生き抜く知恵食養を伝え続ける

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15 3月

【どう出版 メルマガ】 今、届けたい言葉 〈谷口稜曄 長崎原爆被災者協議会会長〉

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└◆ どう出版メルマガ  (2024年3月14日)

『命の伝言』紹介動画
https://youtu.be/-HjCs5NdDyw

◆◇ 今、届けたい言葉 ― 電子『命の伝言』より ―
◇  谷口稜曄 長崎原爆被災者協議会会長

被爆者で当時のカルテが残っているのは私だけです。
ただ、一番ひどい時の記録はこの中にないんですよ。

あとでわかったのですが、米国調査団が
没収して持っていってしまっているのです。

21年の2月から、4月26日までの記録がありません。
この間が一番ひどかったんです。
毎日回診が始まる前、このカルテを枕元において、
先生が来ると毎日めくって見ていました。

そうしてこの大村病院で21年の6月から10月まで、
この薬を使ってやっと良くなっていったんです。
21年の10月に、主治医が看護婦さんに言って、
待合室にある大きな鏡を持ってきて枕元に立てて
背中を見せてくれたんです。

その後、22年の5月にやっと自分の力で
起き上がれるようになりました。
被爆から1年9ヵ月後のことです。

その時に看護婦さんが、とても喜んでくれてね。
「谷口さんが立って歩いたよ!」と言って、
大騒ぎしてくれました。

それまで1年9ヵ月も寝たきりだったのに、
ある日突然起き上がれる気がしたんです。
自分で起き上がる時に手伝ってもらって
なんとか起き上がってみた。

寝たきりだったから、体の中に血液が
流れ出すのがわかるんです。
血管に血液が流れるとものすごく痛いんですよ。

燃えた火の中に足を入れたみたいで
痛くてしびれるんです。
まるで針をさしたような状況だった。

おそらく誰も味わったことがないような
痛さだと思います。

たとえて言うと、水が半分しか流れていない水道管に
水がどっと流れるような感じです。
もう自分の足がどこにあるかさえわからなくなるほどでした。

でもそれ以来、看護婦さんに手伝ってもらったり
松葉杖を使ったりして歩きました。

そしてだんだん一人で
歩けるようになっていったのです。



――― 谷口稜曄 長崎原爆被災者協議会会長
「原爆を背負い続け67年
―― 苦しみ憎しみを乗り越えて今こそ核廃絶への思い」

*  *

戦禍を生き抜かれた方々が語る
戦争の理不尽さ、悲惨さ、命の尊さ。

大切な生かされた命だからこそ、
伝えたい思いがある。

季刊『道』で丁寧に聞き取ってきた
貴重な証言インタビュー集です。

今、このような時だからこそ、
受け取っていただきたいメッセージです。

KindleやKoboなど電子書籍販売サイトで
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12 3月

【どう出版 メルマガ】 今、届けたい言葉 〈磯部竜太 社会福祉法人無門福祉会 事務局長 一般社団法人農福連携自然栽培パーティ全国協議会 理事長〉

┌┐
└◆ どう出版メルマガ  (2024年3月12日)

◆◇ 今、届けたい言葉 ― 最新号『道』より―
◇  磯部竜太 社会福祉法人無門福祉会 事務局長
一般社団法人農福連携自然栽培パーティ全国協議会 理事長

農業というのはすごくネガティブな印象があって、
やる前から皆さんすごく抵抗があるんですね。

自分が経験して大変だというのではなく、
「農業=大変」というのが擦り込まれている。

たぶん全く見たこともない新しい仕事でも、
内職なら反対はないんです。

「農業をやる」と言ったとたんに、みなから、
「休みがなくなる」「きつい」「魅力がない」となってしまう。

(その思い込みが少しずつ解けていったと)

徐々にですが理解されていきました。
今無門福祉会は「農こそが福祉」だと思っています。

農業と言っても、稼ぐためというよりは、
生きるための農業。

そこに軸を置いた農業では、畑は地域の中で
見える所でやっていますし、食べることだから
誰もが関われるし、だから感覚的にはみんながつながり、
みんなの「我が事」になるんですよ。

農業をやっていくと今の社会の課題の多くが
改善されていくというか、
「生きるとはこういうことじゃないか」ということが
感じられるのではないかなと思っています。

無門福祉会では、事務員にしても、
グループホームのスタッフにしても、
みんなが畑に入ります。

新しく就職してくる方も
みんな農業をやりたい方ばかりです(笑)



*  *

一般社団法人農福連携自然栽培パーティ全国協議会
(愛称・自然栽培パーティ)とは、障害のある人それぞれが、
様々な自然栽培農業の役割を担って活躍することにより、
障害者の雇用の確保や自立はもちろん、一人ひとりが
生きがいをもって社会に参画していくことをめざす団体だ。

障害のある方が、室内作業ではなく外に出て誰にも大切な
「食」に関わる農業に取り組むことは、障害ある方々の
生きる力となるのみでなく、近隣地域住民との交流や、
ボランティアを通しての企業との連携、
さらには休耕地の積極活用など、今ある社会の課題を
よりよい方向へ導く糸口ともなっている。

9年前に5団体で始まったこの活動は、今や全国で129団体が
参加しているという。
社会福祉法人無門福祉会の事務局長で、自然栽培パーティの
理事長を務める磯部竜太氏に、この活動の魅力、そして
可能性を語っていただいた。

<ロングインタビュー>
みんなで生き みんなで幸せ
自然栽培が教えてくれたこと

季刊『道』219号
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11 3月

【どう出版 メルマガ】 今、届けたい言葉 〈澤田花江著 『あくなき向上心』 〉

┌┐
└◆ どう出版メルマガ  (2024年3月11日)

◆◇ 今、届けたい言葉 ― どう出版の本より ―
◇  澤田花江著 『あくなき向上心』

「澤田先生は簡単になぎなたをやる」
とみんな言う。

「あら、簡単なことをやっているのよ」
と言うのよ。

「斬るなら斬るだけをやっているのよ。
あなたたちは斬られても、
まっすぐにすっと斬られることが
わかってないんじゃないの。

あっちから斬ったり横から斬ったり、
それで本当に斬れるの」と言うんです。

包丁を持ったら、斜めにしたら切れないでしょ。
こうして上からおろすから切れる。

なぎなただって上から斬らなかったら、
打てないんだよと教えるけど、わからないの。

「そうです」とは言うけど、
聞いただけでやらない。

なんでも手首が大事、手首と体の開きで違ってくる。
手首と体の開きが一致しないとできないよね。
一致するまで時間がかかる。

できたら、
「なんだ、こんなことをやっているのか」と思う。

「音でわかります」と言うでしょ。

すると「音がするように打ってくれない」
とこうなる。

本当に打って、打った瞬間に受けた音が違う。
そういうことがわからない。
「音が違う」という言葉の意味もわからない。

やっぱり気合がなかったらできないでしょう。

身体と気合が一致する、
それを練習しているんでしょう。

ただ格好だけやっているんじゃ駄目よね。

本を読んで覚えようという人には、
「来んでもええ」と言う。

自分が体験して初めて
「こういうものなんだ」ということがわかる。

私が実技の本を出すと言った時、
先輩が「本なんか出したってたいしたことない、
自分がやらなきゃわからないんだ」と。

やっぱり先輩だなと。

本を読んでも「読みました」というのと、
自分の身につけてくれる人といろいろだよね。

百冊のうち、一人でもそういうことを
考えてくれたら幸いよね。



澤田花江著 『あくなき向上心』
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08 3月

【どう出版 メルマガ】 今、届けたい言葉 〈佐伯康人 農福連携自然栽培パーティ栽培顧問〉

┌┐
└◆ どう出版メルマガ  (2024年3月8日)

◆◇ 今、届けたい言葉  ― 季刊『道』より―
◇  佐伯康人 農福連携自然栽培パーティ栽培顧問
なぜ「パーティ」かというと、
農業はキツイ、辛い、孤独だとかいうイメージがありますが、
仲間を見ていると、農地で仲よくふざけたりしながらやっている。

それってむしろ植物、作物にとっても
いいんじゃないかという話になった。

できた作物は不思議とおいしいんです。

流通のメンバーもいたので、すごくおいしいのは、
楽しく仲よくやっているせいじゃないかなということで、
じゃあ「自然栽培パーティ」という名前でやろうか
ということになったんです。

まさにまたバンドの始まりです(笑)。

耕作放棄地を肥料農薬を使わずに、
地域で働けるはずがないと思われた人たちが、
自分たちのふるさとに戻ってそこを
再生していく姿というのは、すごくかっこよかった。

自然栽培というあり方がたぶん、
さまざまな障がいがある人たちに向いていたと思うんです。

だから3年間くらいで100団体まで一気に
仲間が増えていったのだと思います。

増えるのはいいのですが、全部僕が行かなくちゃいけないので、
これまで3回くらい過労で倒れてしまいました。

(おひとりではそれは大変なことでしたね。
「犠牲になった」というのはそういう意味で?)

はい(笑)。
わーっと増えている時は、年間300日近く
教えに出ていました。

使命感みたいなものもずっとあったので、
倒れても次の場所に這ってでも行きました。
今は年間、100日か150日くらいになりました。

5年目、6年目になってくると、
リーダーが各地に出てきて、そのリーダーたちが
勉強会を開催してくれました。

僕らの仲間の良い所は、「こうやって出来た」
「ああやって出来た」というよりも、
「こうやって失敗した」「ああやって失敗した」
という恥ずかしいことをすごく共有できることなんですよ。

失敗の共有は全体にとってすごくいいことなんです。
その失敗は全部次の技術につながっていくからですね。

仲間がそういうことをやってくれるようになってきて、
僕がかつて子どものリハビリを3分の1にしたように
自分も3分の1くらいの回り方で、
充分みんなが活躍できるようになったのです。

僕としては、「これがいい」とか「悪い」とか、
あるいは「作物がどれだけ採れるとか」よりも、
やっている時の楽しさを大事にしたほうがいいと
思っているんです。

ですから、ハンディのある人たちがどれだけ
イキイキしているかとか、作物や畑にいる
人間以外の生きものたちがどんな表情をしているのかとか、

その後皆でわいわい話をしたりする
コミュニティの楽しさを伝えていったんです。



*  *

現在、全国の障がい者施設に自然栽培を広げる
活動をしている佐伯康人さんは、元ミュージシャン。

東京でプロとして活動したのち愛媛県松山市に移り
父親の事業を引き継いだ。

33歳の時に、障がいを持って生まれた三つ子の父と
なったことで、それまでの生き方が一変。

地域の人に助けられながら大変なリハビリや子育てをした経験が、
佐伯さんの原点となり、農業の発展と障がい者の仕事創出
という両方のメリットを生み出す農福連携の活動を始めた。

そして辿り着いたのが、地域コミュニティーを巻き込んでの、
障がい者施設による、除草剤、肥料も一切使わない、
自然栽培による農業だった。

楽しく仲よく働いてこそ、おいしい野菜が育まれ、
関わるすべての人、すべての生きものが復興する。

佐伯さんが自ら実践して辿り着いた真実は、
佐伯さんの生き方そのものにつながっていた。

<ロングインタビュー>
農業・福祉の連携で実現する、誰もが活躍する世界
自然栽培農地でイキイキ育つ生命たち

季刊『道』202号
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08 3月

【どう出版 メルマガ】 今、届けたい言葉 〈【対談】 稲本正 森の哲人・オークヴィレッジ創設者 宇城憲治 UK実践塾代表〉

┌┐
└◆ どう出版メルマガ  (2024年3月7日)

◆◇ 今、届けたい言葉 ― 最新号『道』より―
◇ 【対談】 稲本正 森の哲人・オークヴィレッジ創設者
◆      宇城憲治 UK実践塾代表

【稲本】
そうそう。
「梵我一如」という言葉があるんですよ。

「梵」というのは宇宙、「我」は人間の本質。
その本質を一緒にすると何も怖いことはない。

僕はこの「梵我一如」みたいな瞬間を
体験したことが何回かあるのです。

ひとつはアマゾンに行った時のことでした。

アマゾン川は元をたどると太平洋に流れていたのですが、
アンデス山脈が隆起して、大西洋に流れるようになった。

そうすると上からの圧力で川底が流れても
水面には全然波が立たない。
何故なら海水より低いから。

するとある所へ行くと水面が鏡のようになり、
そこに空が映る。
アマゾン川をくだっている時に
おじいちゃん船頭が夜そこへ行ってみようと言うわけです。

そこで夕方小さいボートで行って
その場所に船を止めた。

「もうそろそろ来るぞ」とその船頭が言うと、
一番星が上に出た。
と同時に下にも出る。

ばーーーっと星が出始めると、
下もばーーっと満天の星になった。

その時、周りが何にも見えなくなって、
宇宙の中に俺一人だという気持ちになった。

何なんだろうな、あれが宇宙と自分が一体化した
一つの現象なのかな。
そういう体験はその後も何度もあります。

もう一回は、アマゾンでサン・アントニオという
滝を見ていた時のことです。

ふつうの滝は岩の上から落ちてくるのですが、
その滝は森の中から降ってくる。

森の中に水があって、それがばーーっと出てくる。
それがものすごく綺麗なのです。

僕は眠れない時、このサン・アントニオの
滝などの風景を自分の中につくって
呼吸だけに集中して後のことはみんな忘れる。

するといつの間にか寝ているんです。
だから「梵我一如」という感覚は
「寝入る」のとよく似ている感じなのかなと。

【宇城】
すばらしい言葉、教えですね。

師匠と弟子の関係、または相手と自分の関係の
あり方ついて次のような言葉があります。

「月は池に映るともなく、
池は月を映そうとも思わぬ広沢の池」

つまり、池が波を立てたら月は映らない。
それは月は実体で池は心のあり方ということで、
相手に向かった時は、そういう波立たせない心でいく。

今、先生がおっしゃった、星が映るのと一緒で、
波が立っていたら、映らないということですよね。

師匠に学ぶということは自分の心の
実直さに他ならないということです。

【稲本】
そうだよね。
なるほど。

【宇城】
だからそういう心境に立つべきなのが子弟関係です。
師匠ができたら、師匠の心を自分にうつすしかない。

習うのではなく、うつすのだと。

それは心の問題なんですね。
そこに「我」があったり「邪」があったりすると
いつまで経っても成長しない。

だからこそ師匠はいつも模範を示さなくてはならないし、
一番勉強をしなくてはならない。

その信頼関係があるからこそ
同時に尊敬というのが出てきますね。



*  *

デカルトによる身体と精神を分離する心身二元論を
ルーツに始まった近代合理主義は、その後ニュートン、
ダーウィンなどに引き継がれ現在に至っているが、
その要素還元的な思考は、生命などのように機械的に
分析できないものの全体像をかえって見えなくするなど、
現在もその弊害は続いている。

今号では217号(2023夏)で登場いただいた森の哲人・
稲本正氏に宇城憲治氏との対談に再びご登場いただき、
いかに目に見えないものが、目に見えるもの以上に
私たちに影響を及ぼしているか、さらに、

モノと心は相互に依存しつながりあっていることなどについて、
稲本氏には原子の視点や植物間コミュニケーションの話から、
宇城氏には自ら発する「気」や人間の潜在力の可能性の話から、
それぞれ語り合っていただいた。

<巻頭対談>
私たちを生かす宇宙のしくみ
目に見えないものが世界を変える

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