06 12月

岩井喜代仁氏 講演会を開催いたしました

去る2021年12月5日(日) ハートピア京都にて、茨城ダルク 今日一日ハウス代表の岩井喜代仁氏の講演会を開催いたしました。

20211205岩井喜代仁講演会

 

20211205岩井喜代仁講演会

 

20211205岩井喜代仁講演会

 

本講演会は、宇城憲治氏に学ぶ「宇城教師塾」の発案・企画により実現したもので、参加者85名のうち多くを教員が占めました。
岩井氏のお話は、薬物依存にまつわることだけにとどまらず、学校のあり方や教員の心構え、親をはじめとする周りの大人の役目など、子供の命を守るために必要なことは何かを、岩井氏の実践に基づいてお話しいただきました。

薬物を使って行き着く先は「刑務所・精神病院・死体置場」の三ヵ所である ―― 岩井さんがこれまで関わってきた薬物依存者を例に、どのように薬物につながり、どのように死んでいったかのお話に、参加者は真剣に耳を傾けていました。

また、ダルク女性シェルターとちぎの施設長 不動めぐみ氏にも、ご自身の薬物依存の実体験と、ダルクにどのように救われたか、また現在施設長として、仲間(施設入寮者)にどのように関わっているかや、気づきなどをお話しいただきました。

20211205岩井喜代仁講演会

 

20211205岩井喜代仁講演会

 

 

薬物が目の前に現われた時にどうするべきかを、子供たちにどう伝えるか。
薬物を使ってしまったら、あるいは我が子・教え子が薬物を使っていたら、どうするべきか。

ダルクで行なわれている関わり方は、本人に徹底的に寄り添い、しかし甘やかさずに共に歩むあり方であり、それは薬物依存にかかわらず、人生を歩むために必要なことでありました。

 

◆ 2021年12月15日(水)まで録画配信をします ◆

閲覧期限: 12月15日(水)まで
申込期限: 12月14日(火)17:00まで
閲覧料金: 3,000円(税込)

録画閲覧の代金はすべて、ダルクへの寄付といたします。

【録画配信申込ページ】

 

 

以下に、参加者の感想を一部、ご紹介いたします。

●大阪 教員 55歳 男性 MN
薬物依存の講演会には、初めて参加しました。
依存は病気であり、まず治療が必要であること、否定ではなく“使ったらどうなる”の話には納得できました。“ダメ”を教えても意味がない。
教師はのすべきことは治療機関につなぐこと、正しい認識をもっていなければ、正しい対応ができず救うことができない。薬を使わない生き方を教える。
初めての学びに大変感謝いたします。ありがとうございました。

●大阪 教員 29歳 男性
薬物の講演会ではりましたが、至る所に日々の教育に活かせる話があり、とても勉強になりました。
岩井さんのエネルギーを受けてまた明日から頑張っていこうと思いました。
本日は貴重なお話を聴かせて頂いてありがとうございました。

●奈良 教員 29歳 男性 M
摂食障害をもつ子ども今後増えてくるのではないかと懸念しています。今までも学校の中でおこなわれてきた「断る勇気」を持つ指導は口先だけのものだと改めて考えさせられました。
断り方も教えず、勇気を持っているだけでは本当の意味で薬物依存に陥る子どもたちを守ることはできないと感じました。
少なくても「断る勇気」と「逃げる勇気」を持つ必要性があることを説き、教師である前に信頼できる大人として、子どもたちと接することができるように、日頃から精進し、魅力で人をひきつけられるように、自らの取り組み実践を繰り返していきたいと思いました。
本日は誠にありがとうございました。

●京都 主婦 54歳 女性 YF
知人に誘われて参加しましたが、お二人の先生の迫力、経験に基づいた的確なアドバイス、どれも本当にすばらしいものでした。
公的機関すべて体を張った対応ができなくなっている状況でこのような活動をされている方を知れて本当に貴重な時間でした。
親としてもとても参考になりました。ありがとうございました。

●奈良 教員 32歳 男性 TH
貴重なお話しが聞けました。ありがとうございました。
薬物中毒の生徒とどう向き合えばいいのか、非常にリアルに学ばせていただきました。同時に薬物とは関係なく、教員として生徒とどう向き合っていくべきなのか、そのエネルギーをいただけた気がしております。今日学べた事を、目の前の子どもたちに返していければと思います。

●奈良 教員 30歳 男性 TT
薬物依存を経験した友人との関わり方を学びたくて参加しました。
薬物依存の実際も分からず、本当にやめられるのかも分からず困っていました。しかし、今日『「やめる」のではなく「使わない生き方」を回復という』ということを知れて、とても希望がわきました。やめさせるのではなく、使わなくてすむ生活を目指し、見守ることを薬物だけでなく、生徒理解全般に繋がるお話しを聞き、生徒と関われるエネルギーをいただきました。
本日は本当にありがとうございました。

●奈良 教員 29歳 男性 NA
今だ自分がどれだけ上辺だけで薬物に関する授業をしていたのかを痛感しました。
「使ってはダメ」ではなく「使ったらどうなるか」をしっかり伝えること、本気で伝えることが大事だと改めて思いました。
薬物依存は「自分の二番目に大切なものを手放すのと同じだ」という話しを聞き、自分の大切なものを思い浮かべると絶対無理だと思いました。
自分たちができることは、子どもに寄り添い話を聞き、専門機関に一緒についていくこと。もし出会った場合はそのようにやっていきたいと思います。
心に残る講演会、ありがとうございました。

●京都 学生 19歳 男性 RN
本日お話を聞いて、絶対体験できないことを、実際に経験した人から聞くことはなななか出来ないことで、とてもいいお話しを聞かせていただいたと思います。
また、経験のない人が話す「これをやってはいけない」と、実際に経験のある人の「使ったらどうなるのか」という話しでは、言葉の重みが変わってくると思います。
経験できない、経験という財産をいただけてとても素晴らしい機会でした。
今回は、本当にありがとうございました。

●大阪 学生 19歳 男性 HU
改めて自分の周りを見てみた時に、何でも話せる友達が何人もいてくれていると感じました。
依存性の怖さをとても実感したので、自分と自分の周りに広まっていかないようにしたいと感じました。
本日はありがとうございました。

●大阪 大学生 19歳 男性 KN
今までここまで深く薬物について考えさせられることがなかった。きれいごとばかりの話で、岩井氏の話とはかけ離れていると感じた。それくらいリアルで、どれだけ恐ろしいものか。実際に使われていた人だから言えることがある、だからこそ鳥肌が立つくらい話が入ってきた。伝え方次第でこれだけ思いが伝わるか、そういう部分も分かった。
リアルを伝える大切さを学んだ。

●京都 30代 中学校教師 男性 KT
岩井様、本日は多忙の中、講演をしていただきありがとうございました。
薬物は犯罪であるから警察に委ねるのが一番であると考えていた自分の認識不足を痛感しました。薬物依存は病気であり、覚醒剤などの違法薬物だけでなく、市販薬でも起こりうることであり、一筋縄にはいかない根深い課題が横たわっていると感じました。ちょうど先週に学校で行われた薬物乱用防止教室の内容がいかに上辺で実感できないものかと思いました。警察に連絡したからと言って解決するものではなく、依存をいかに止めていくのかが大事であると知りました。また、依存している本人よりもまずは保護者に関わって相談機関などに繋いでいかなければ、本人に関わるには限界があることを知りました。
私ら教師がやるべきことは、生徒にいかに信頼できる友達を作る手助けや出会いを作ること、家族にいかに関わって行動を起こす一助となれるのかであることだと知りました。
今回の講演では、何よりも岩井様の経験から語られる熱い思いに自分の心を揺さぶられました。自分が起こすべき行動とは何かを学ばせていただき、今までとは違う行動を起こしていきたいと強く思いました。

●奈良 20代 教師 女性 YN
薬物依存は市販薬でもなるということ、自分の身にも降りかかる可能性があることを知りました。

●奈良 20代 高校教師 男性 KI
とても勉強になりました。そしておもしろかったです。生徒が薬物依存になったとき、担任としてどう動くべきか、具体的にしれたのが良かったです。また、薬物のきっかけから、使用の先に行き着く先まで詳しく聞けて、それもいろいろな実体験を知れて、勉強になりました。本日の本日のご講演ありがとうございました。

●奈良 30代 教諭 女性 IY
小学校で勤めているので、なかなか薬物依存についての講演は聞いたことはなかったので、初めて知ることもあり、とても勉強になりました。
そして、子どもたちの悩みや抱えていることに寄り添ってあげる、何を求めているか気持ちをわかってあげるってことが、救いになるんだなと改めてわたしの教師生活を振り返りました。
今日はありがとうございました。

●山口 30代 中学校教員 男性 SA
今日初めて、岩井さんのお話を聞かせていただきました。直接お話をお聞きし、薬物依存症が病気であることやそこに至るまでの想像を絶する経緯、本人や家族が直面する事態を知りました。教員という立場からできることをご教示くださり、これから必ず実践していこうと思いました。
これまでの人生の中で、薬物を使用したという人に何人も会ったことがあります。私は、岩井さんの御著書や季刊誌道の記事を読んでいたので、勧められた時も断り、逃げることができました。しかし、何も知らなければ、手を出し、薬物依存症になっていたかもしれません。改めて今このように生活できていることは、岩井さんと宇城先生の出会いと対談記事があったからです。本当にありがとうございます。
教員に採用される前も子どもと関わる仕事をしていました。自分自身が薬物を勧められた経験があっただけでなく、実際にガスや危険ドラッグに手を出した子どもとも出会ったことで、岩井さんの仰るように薬物の危険性は子供達にも本当にすぐそばにあるのだと実感しました。今日のお話をお聞きできたことを大きなきっかけとして、これから勉強を重ねていこうと思います。
この度の講演会をお聞きし、岩井さんは怖い方なのかなと勝手なイメージを持っていたのですが、すごく優しい方なんだなと感じ、今日直接お話をお聞きできて、本当に良かったです。本日は貴重なお話をしていただき、誠にありがとうございました。

●奈良 30代 教師 女性 RM
岩井さんのユーモア交えながらの気迫溢れるお話に吸い込まれました。子どもたちと身近な存在である教育現場にいる大人=教師に訴えるように話された姿には、数十年前から変わらない、変わろうとしない教育現場に怒りや歯痒さがあるように感じました。女性ハウス不動さんの「ダルクの仲間が教えてくれた事は、私の人生で欠けていた時間に学ぶべきものでした。」という言葉に、薬物乱用防止の観点以外でも考えさせられるところがあり、やはり、教育現場で伝えるべき「本当のこと」があると奮起いたしました。
「プログラムの初めはまずは歩くことから」実践・行動にうつすべく=繋ぐべく、「歩いて」いきます。本日は有難うございました。

26 11月

『道』210号 船橋康貴さん連載 「自然の叡智に学び、ゆだねる生き方」

◆一般社団法人ハニーファーム代表 船橋康貴
連載『ミツバチが教えてくれること』

「自然の叡智に学び、ゆだねる生き方」

ハニーさんは今、山梨県の清里を拠点に活動されていて、時折、朝の散歩で撮った素敵な森林での写真や、夕方の美しい山々の風景などを送ってくださいます。

今回は、アスファルトでひっくりかえって、起き上がれなくなっていたセミをハニーさんが助けたところ、そのセミがハニーさんの足を登ってきた時の動画でした。なんとハニーさんの足にとまって、元気よく鳴いています。
「ハニーさんにありがとう!」と言っているかのようです。しかも、そのセミが止まったところは、ハニーさんがつらいと思っていた場所であったそうです。

ハニーさんは、ミツバチと同じように昆虫たちがそうやって私たちを癒してくれる存在であることを教えてくれます。自然のなかに溶け込んでいるからこそ、一体となって感じることができる。
そんなハニーさんが伝える自然のやさしさが、毎号嬉しい連載です。
 
季刊『道』210号
 
 
道210号 船橋康貴

25 11月

『道』210号 安藤誠さん連載 「双頭」

◆写真家・ネイチャーガイド 安藤誠
連載『日常の奇跡』

「双頭」

「双頭」とは、争い合ったオスシカの角が絡まり、そのまま絶命した相手を一方が首ごと引きちぎった結果、その頭蓋骨を角にからめたまま生きることになったシカのことです。
今回、安藤さんはその「双頭のシカ」を写真に収めました。

先日、東京町田で行なわれた安藤さんの講演会では、写真だけでなく、その実際の映像も放映されました。まさに、厳しい自然に生きる動物たちの生命力、生き様が伝わってきます。

安藤さんは常に自然界のありのままの姿だけでなく、そこにある目に見えない大事なものを感じ取り、映像や写真に魂を吹き込んでくれます。その一枚を通し、覚悟、生き様、そして私たちが見過ごしている日常の奇跡を、教えてくれます。

季刊『道』210号
 
 
道210号 安藤誠

21 11月

『道』210号 前島由美さん連載 「お母さんの心の安定を図り、子どもが安心できる家庭をつくる」

◆ゆめの森こども園代表 前島由美
連載『愛の関わりと連携で、輝きを取り戻す子どもたち』

「お母さんの心の安定を図り、子どもが安心できる家庭をつくる」

療育支援施設「ゆめの森こども園」で、生き辛さを抱えている子どもたちに向き合う前島由美さん。
愛情いっぱいの関わりと、親御さんや学校・地域との丁寧な連携によって、本来の輝きを取り戻していく子どもたちの実例を紹介していきます。

今回は、子どもの悩みを解消するために行なった、お母さんへの関わりを紹介しています。
長年服薬してきた向精神薬で苦しんでいたお母さんの「変わりたい」思いに寄り添い、環境を変える手助けをすることで、状況が好転していく様子を紹介いただいています。

季刊『道』210号

道210号 前島由美

20 11月

『道』210号 野村哲也さん連載 「初めての入院生活」

◆写真家 野村哲也
連載『地球を歩く ~知られざる絶景を求めて~』

「初めての入院生活」

今回の野村さんの連載は、異色のエッセイでした。

2月に撮影中に転んで足を複雑骨折をした野村さんが、しばらく余儀なくされた入院生活を題材にエッセイを書いています。
舞台はいつもの自然ではなく病院ですが、写真家としての野村さんの興味や視点が遺憾なく発揮されていて、同じ入院患者である、あるおじいさんにフォーカスしたお話は、まさに抱腹絶倒!

どんな時も、落ち込んだり投げやりになったりせず、現状を受け止めてエネルギーにしている野村さんの素敵な生き方が垣間見れる、笑いの中にも学び多き今号です。

季刊『道』210号

19 11月

『道』210号 宇城憲治氏の連載「人間に内在する真の力」

◆UK実践塾代表  宇城憲治
連載『気づく気づかせる』

「人間に内在する真の力」

宇城氏によると、人間には三つの力があると言います。
一つが今私たちが常識としている筋力の力、
二つ目は、火事場の馬鹿力に代表されるような必死な時に出る力、
そして最後は、気による力です。

今回の連載では、この三つの力の本質を分かりやすく実証事例とともに解説しています。

私たち人間には眠っている潜在力があり、その潜在力は今さまざまな常識によって蓋をされている状況にあること、そのことへの理解が深まれば、本来の力を取り戻すきっかけを得ることができると宇城氏は言います。この三つの力のあり方から見えてくる事象は、未来へ向けての一つの指針となることでしょう。

季刊『道』210号

道210号 宇城憲治

18 11月

『道』210号 工藤清敏さん連載 「私たちの身体は海である」

◆健康回復学研究所所長 工藤清敏
連載『塩から社会を見てみれば』

「私たちの身体は海である」

前号209号のインタビューにご登場いただいた工藤清敏さんの新連載が始まりました。

前号の塩の真実のお話には「塩についての認識が覆った」など、多くの読者から反響がありました。

5000年の歴史のなかで4900年以上、命に欠かせない大切なものとされてきた塩。
今なぜ減塩が叫ばれるのか。真実はどうなのか。
また塩と言ってもいろいろあり、すべて「塩」でひとくくりにしてきたことが様々な誤解を生んでいます。

長年にわたる塩の研究と実績を土台に、自然治癒力の要が塩にあることを全国に伝え歩いている工藤さんに、
人と塩の関係から見えてくる、さまざまな社会の矛盾や課題を見つめていただきます。

季刊『道』210号

道210号 工藤清敏

17 11月

『道』210号 岩井喜代仁さん連載 「外国人を受け入れる施設 群馬ダルク」

◆茨城ダルク代表 岩井喜代仁
連載『今日一日を生きる』

「外国人を受け入れる施設 群馬ダルク」

薬物依存回復施設・茨城ダルクの施設長である岩井喜代仁さんは、約30年前は、ご自身が薬物依存に苦しむ一人でした。ダルクに出合い、自ら回復の道を歩みながら、一転、今度はダルクを運営する側に回り、同じ依存症に苦しむ多くの仲間を救ってきました。

数々の行政との連携を先頭に立ってすすめてきたのも岩井さんです。
今や、薬物依存者が社会復帰を目指すリハビリ施設として、薬物依存回復の確立した方法論を持つダルク。各地にある施設長は、すべて同じ薬物回復に向かう仲間たちです。

仲間に励まされ、支えられ、許され、受け止められながら、施設長として独り立ちしていく姿は毎回感動です。ともに歩み、苦しみを分かち合う仲間の絆があるからこそ、人は前に進むことができるのだと教えてくれます。

今回は、日本で71カ所あるダルクのなかで唯一、英語を母国語とする仲間が運営する施設のお話です。

岩井さんの講演会が12月5日に、京都で行なわれます。

■ 岩井喜代仁 講演会
「子供たちを薬物から守るために」
2021年12月5日(日)9:15~11:30(開場 9:00)
京都府立総合社会福祉会館 ハートピア京都
参加費:3,000円

詳細・お申し込み
https://www.dou-shuppan.com/event/202112iwai/


 

季刊『道』210号
 

16 11月

『道』210号 近藤直樹さんインタビュー「水と土と山の力を保育の土台に」

水と土と山の力を保育の土台に
人の力を最大限発揮できる社会を目指す

くわなひまわり保育園園長 近藤 直樹

14年前に保育園を立ち上げた近藤園長は、若かりし頃は相当やんちゃで学校嫌い、ボクシングをやり、俳優をめざしていたと言います。
様々な経験を経て高校教師になった近藤園長は、生徒に厳しく指導するなかで、学校や家庭の課題に気づき、教育とは何かを深く追究するようになったそうです。
そしてもっともっと早い段階で教育に関わりたいと保育園の立ち上げを決心します。

今回の取材は2日間にわたり、1日目は近藤園長のお話、翌日は、山への保育への同行でした。1歳児から4歳児の山の保育の日だったのですが、いきなり1歳児が這って斜面を登る姿に度肝を抜かれました。

2歳児は、見つけた虫や花や草と遊びながら登る。さらに元気いっぱいの4歳児は、途中の倒木などを滑り台にしたり、木登りしたり大忙し。そして文字通り斜面を園庭のように駆け上り、駆け降りていました。
まさに自然が遊び場、しかしそこにはたくさんの思いを込めた見守りと、導きがありました。

近藤園長は、こうした土と地域に根差した保育園を全国に広げることで、人の力が最大限に発揮できる社会の実現をめざしたいと語ります。近藤園長に保育への思いを聞きました。

道210号 近藤直樹

 

季刊『道』210号

15 11月

『道』210号 吉岡 敏朗さんインタビュー「出会いと発見の旅 」

出会いと発見の旅
ドキュメンタリー映画にかける思い

映画監督 吉岡 敏朗

映画は見る側にはなるけれども、撮る側のお話はなかなか聞く機会がないものですが、今回、テレビや映画、ビデオ作品など様々な映画制作にたずさわってきた吉岡敏郎監督にお話を伺う機会をいただきました。大きな転機は2011年の東日本大震災で、その時に生きること、死ぬことに対し、映画を通して自分なりに答えを出そうと思ったのだそうです。そしてその映画制作の原点にあったのが、生まれ故郷である松江の、自宅前に広がる宍道湖の夕陽や打ち寄せる波の音だったと。そのように身体で経験したことや、身体の奥底に流れているものが原動力となっているお話をお聞きすると、日々の時間が未来の展開に確実につながっていることを感じます。
何かを生み出す人のお話は、まさに今回のテーマの「先を見る生き方」のお話だと思いました。

現在監督は、自然の摂理や昔ながらの暮らしをテーマにしたドキュメンタリー制作に力を入れておられ、今は、後世に役立つこと、地球が喜ぶことを自分で学ぶ、その原点に教育を立ち返らせたいと、『八世代先の子どもたちへ』という映画を制作中です。その映画の案内役が、本誌でも連載いただいている、ゆめの森こども園代表の前島由美さんです。この制作中の映画についても語っていただきました。

季刊『道』210号

道210号 吉岡敏朗