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183号 (2015冬)

テーマ  「まず行動、そしてやり抜く」


 
登場してくださるどの方からも感じる、「まずは行動ありき」のメッセージ。

私たちはとかく、何かをする時にあまりに考え込んだり、慎重になりすぎたりして、その一歩を踏み出すタイミングを逸することがあります。

江戸時代の日本人は、光の速さでものを考え行動していたと言います。
かつて日本人が世界から高い評価を得たのは、自分に働きかける「見えないエネルギー」に導かれ私心なく行動した、その速さにあったのかも知れません。

大事なことは、その見えないもののなかにある自分を動かす力を信じ、行動していくことではないでしょうか。

  巻 頭 対 談

アフリカに渡って50年 個が光っていれば相手を変えることができる

ケニア・ナッツ・カンパニー創業者 佐藤芳之 VS UK実践塾代表 宇城憲治

 

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まず行動すること。
歩くこと。
一歩出ること。
人間は動物です。
動物は動くものです。
生きているものは 動いてエネルギーを出すものなのです。

 アフリカの大地に足を踏み入れてから50年、様々な紆余曲折を経て、1974年に起業した会社を、世界5大と言われるマカダミアナッツカンパニーに育て上げ、現地で多くの雇用を生み出し、25万人もの生活を支えてきた佐藤芳之氏。しかし佐藤氏は、「ビジネスはアフリカ人が自立するためのもの」と、ほぼ無償で現地の人に会社を譲渡。現在は、大量虐殺の傷跡がいまだ残るルワンダの地で、ナッツビジネスほか、あらたな事業を展開している。

アフリカ大地のように、シンプルで自由で自然体、その何者にも縛られないスケールの大きさは、疲弊しきっている日本の空気を、根底から吹き飛ばす勢いに満ちていた。

  特 別 対 談

現状を直視し、世界と勝負できる日本へ 青色LEDの開発から見えてきたこと 

 2014年ノーベル物理学賞受賞 カリフォルニア大学教授 中村修二 VS UK実践塾代表  宇城憲治

 

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天体望遠鏡があるから遠い星雲が生まれたのではありません。
万有引力のニュートン力学があるからリンゴが落ちるのではないのです。
つまり、科学というのは、自然の姿、実態を、 人間にわかりやすく翻訳するための道具のようなものです。
(中村修二著『怒りのブレイクスルー』より)

 その科学が道具であるならば、使って何かを作らなければならない。使い方ばかりを習熟するのではなく、人間の生活に役立ててこそ。2014年度ノーベル物理学賞を受賞した中村修二氏はまさに発明した青色LEDで、従来の概念を覆す光の革命をもたらし、省エネで長寿命の照明やディスプレーなどの新産業を生み出すことに貢献。基礎研究に与えられることが主流だったノーベル賞が、すでに商品化され実用的に普及している技術に与えられたことは、まさに快挙であり、その意義は非常に大きい。
 

中村氏の開発に至るまでの思い、世界に出たからこそ見えてきた日本の課題、日本の誇り、これからの中村氏の思いなど、
中村氏と同じく長年エレクトロニクス技術者として世界の第一線で活躍してきた宇城憲治氏と忌憚なく語っていただいた。

  ロ ン グ イ ン タ ビ ュ ー

「できない」とあきらめず、まず行動。そして成功するまでやり続ける!

ローマ法王に米を食べさせた男』著者 羽咋市教育委員会 文化財室長 高野誠鮮

 

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物事を踏み切る時に、失敗した時のことを一切考えない。
『どうしたらそれができるか』だけを考えるのです。
そして行動を起こすだけなのです。

石川県羽咋市の職員であり、僧侶である高野誠鮮さんは、本物の宇宙船やロケットを導入した宇宙博物館をつくって村の町おこしを実践したり、限界集落と言われた過疎地をよみがえらせ、その地でとれた米を見事ブランド化。さらには奇跡のリンゴの木村秋則氏と手を組んで、農薬肥料除草剤を使わない自然栽培を農協(JA)と共に取り組む道を開くなど、その活動はおよそ役所的な発想では辿り着かない独自の発想と行動力に溢れている。

そこにある信念は、「何があっても〝できない〟とあきらめず、まずは行動すること」。
高野さんのお話は、すべてが停滞してしまったかのような今の日本に大きな風穴をあけ、一歩踏み出す勇気を与えてくれるものだった。

  被 災 地 の 今

立ち向かえ! 絶望の先にこそ希望はある

希望の牧場 代表 吉沢正巳

 

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『生きる意味がない』と避難民は言う。
しかしそれは模様眺めだからだ。
一歩踏み出して、自分から行動していると
新しい意味は作られる。
行動しなければ出てこない。
絶望の先にこそ、本当の希望があると俺は思うんだ。

 2011年3月11日の東日本大震災による福島原発事故後、警戒区域内の家畜を殺処分すると決めた国に従わず、今もボランティアや寄付によって300頭を超える牛を飼育する「希望の牧場・ふくしま」。東京電力福島第一原発から14キロの地点に位置し、前号182号に登場いただいた映画監督 岩崎雅典氏がドキュメンタリー映画『福島 生きものの記録』で取り上げた「斑点牛」がいる牧場だ。
 

代表の吉沢正巳氏は、全国各地を宣伝カーでまわって現状を訴えながら、牛飼いとしての使命をまっとうしようとしている。
国の政策に対する不信感、原発再稼働に流れる風潮、原発避難民に対する問いかけ ――
「いのち」を軸に活動する吉沢さんの言葉を、私たち日本人は真剣に受け止めなければならない。

   連 載

宇城憲治 連載◆宇城憲治 連載『気づく気づかせる』

目に見えないものを見える形に
― 目に見えないエネルギー「気」 ―
 
最先端のエレクトロニクス技術者として、さらには企業のトップとして活躍してきた宇城憲治氏は、現在徹底した文武両道の生き様と、武術を通して得た「気」によって、人間の潜在能力の開発とその指導に専念。

現在、氏は目に見えないものを目に見える形にするために、「普遍性、再現性、客観性」の実践検証をもって「目に見えないもの」の存在を解き明かす研究を先行させている。

岩井喜代仁 連載

◆茨城ダルク代表 岩井喜代仁 連載『今日一日を生きる』

薬物依存回復の12のステップ(5)
神に対し、もう一人の人間に対し、自分の誤りを認めた

薬物依存症リハビリ施設・ダルクの回復のあり方は、入寮者、スタッフにかかわらず、

同じ苦しみを知る仲間が回復に向かう姿を見せることにある。
ダルクと出合って22年、施設や家族会を牽引しながら、自らも回復の道を歩み続ける岩井喜代仁氏に、薬物依存回復に向かう生き方を聞くとともに、回復途上にある入寮者の手記を紹介する。

野村哲也 連載183

◆写真家 野村哲也 連載『地球を歩く』

~知られざる絶景を求めて~
野村家の親子旅

世界に飛び出し旅するからこそ見える、日本のこと、自分自身のこと。
秘境と絶景を求めて 100カ国を旅してきた写真家 野村哲也氏の連載。

 

 

佐々木隆 連載183

◆銀河浴写真家 佐々木隆 連載『私たちは銀河のなかに生きている』

長崎~マルク・マリー・ド・ロ神父

生かされていることに気づけば、人生はもっと豊かになる。
銀河を舞台に生命の息吹を写しとる、佐々木隆氏の銀河浴写真。

 

 

山元加津子 連載183

◆作家 山元加津子 連載『ありのままの私たち』

『無脳症』のちーちゃんが教えてくれたこと

人と違っていても、障がいがあっても、人はみな素晴らしい力を持っている。
植物も動物も人間も、みんなでひとつの命を一緒に生きている――。
長く特別支援学校で子供たちと接してきた山元加津子さんが伝える、生きる上で大切なこと。

 

金澤泰子 連載183

◆書道家 金澤泰子 連載『あふれる真心と愛』

翔子に満ちる無心の力

待望の娘をダウン症として授かり、絶望のなか親子二人三脚で書の道を歩んできた金澤泰子さん。
娘 翔子さんを書家へと育て上げた金澤さんが、翔子さんの純真な魂が引き起こす奇跡の数々を綴る。

 

 

◆伊藤忠商事理事 木暮浩明 連載『うつくし、日本』

海外生活20年を通して― 国際風習の相異 ― (その2)

日本を代表する総合商社の商社マンとして、イギリス、アメリカ、東欧、中近東、
通算17年間の駐在経験のある木暮氏が語る、日本人とは。真の国際人とは。

 

 

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