合気道なら どう出版

その理由とは?

●理由その① 合気道開祖の第一級の歴史資料をもつ
 どう出版の前身は、合気道開祖・植芝盛平の歴史と合気道の史実を専門に追う『合気ニュース』という合気道専門誌を出版する「合気ニュース社」でした。貴重な写真資料や映像を数多く持ち、他にはない合気道関連の書籍やDVDを取り揃えています。
 
 弊社の前社長は、植芝盛平の思想と哲学に魅せられ来日したアメリカ人・合気道史研究家、スタンレー・プラニン。1974年に合気道の史実を研究するために英文雑誌『Aiki News』を創刊し、1977年に来日後は、日英対訳版『合気ニュース』、続いて日本語版の『合気ニュース』を創刊、以後、1996年に帰国するまでの19年間にわたり、開祖の直弟子を中心に聞き取り調査(インタビューは200回以上)や史実の研究を行ない、その過程を『合気ニュース』に掲載してきました。
 現在どう出版が提供する合気道関連の書籍、DVDは、スタンレー・プラニンが合気道開祖・植芝盛平の生涯とその思想の研究を目的として発表した資料がもととなっています。
 合気道の原点である開祖の心と歩みを、脚色することなく次世代に伝える、第一級の資料です。

 とくにDVD『植芝盛平と合気道』全6巻は、長年の研究調査のなかで発掘された映像資料をもとに制作されており、その歴史的価値は多くの武道歴史家が認めるところであります。  

 また、書籍『植芝盛平と合気道』全2巻は、戦前、戦中、戦後において直接開祖に学んだ直弟子たちの生の声をまとめた貴重な会見集です。
 開祖の人となり、合気道創始への思いはもとより、当時の弟子たちがどのような過程を経て現在の合気道を形作るに至ったのか、その修行の過程を知ることは、合気道を修行する方々の貴重な指針となることでしょう。

●理由その② 大東流中興の祖 武田惣角とその弟子たちの詳細記録資料
 どう出版はまた、植芝盛平が学んだ大東流中興の祖・武田惣角の詳細研究資料も多く保持しています。惣角の弟子たちのほとんどに直接インタビューを行ない、その会見記録も『武田惣角と大東流合気柔術』に残しています。特に惣角の長男である武田時宗氏との会見記録は、20時間以上におよび、氏から得た資料の多くは、『合気ニュース』誌に掲載されてきました。また、96才まで現役を貫いた佐川幸義氏に生前直接会見取材をしたのも、『合気ニュース』以外にありません。

●理由その③ 独自の演武会開催で残してきた、弟子たちの映像資料
 合気ニュースでは、1985年より、開祖の弟子を一堂に会するイベント「友好演武会」を4回にわたり行なってきました。それぞれの弟子が開祖から受け継いだものを、講演、そして演武という二つの形で自由に発表していただくというのがその趣旨でした。一人もち時間30分~1時間にわたった異例の演武映像は、歴史に残る貴重な資料です。

 また2002年、2003年、ラスベガスにて2005年にはロサンゼルスにて合気道の祭典 AIKI EXPOを3回にわたり開催しています。開祖に学んだ直弟子たちが海外にわたり、その技と心を広め、その薫陶受けた門人たちがまた活躍していく。その合気道の広がりと友好の象徴として開催されたイベントです。合気道にとどまらず、他武道における卓越した武道家を招待し、まさに国境を越え流儀、会派を越えた武の祭典といえるイベントが繰り広げられました。こうしたイベント以外にも2004年には日本において合気ニュース創刊30周年を記念したイベント「武 融合への祭典」も行なっています。 
 そのほか、盛平とともに合気道草創期を歩んできた甥の井上鑑昭氏の会見を数回にわたり行ない、またその演武を記録しています。

 すでに開祖に身近に接し、合気道史を知る重要な人物の多くが他界してしまっている現在、合気道のルーツ、そして開祖の思いを直接知ることはむずかしくなっています。そのようななか、生で残された数々の資料は、非常に貴重なものと言えるでしょう。

●貫かれている、まっすぐに伝えるという姿勢
 合気ニュース時代から、現在のどう出版まで貫かれていることは、「真実を伝えていく」ということです。たとえば合気道であれば、開祖を神格化したり、美化したり、あるいは事実を脚色するなど、手を加えることで真実とはかけはなれた情報を提供することを戒めてきました。会見であれば、開祖の人となり、時代背景が感じとれるように、直弟子の生の声をできるだけそのまま伝えてきました。後世においても、合気道を学ぶ方々に、開祖の思い、目指したこと、悩んだこと、苦しんだことをそのまま受け取っていただきたいという思いがあるからです。

 そしてそれは、現在のどう出版の編集方針でもあります。やり抜いてきた方々、行動している方々の思いは、その過程のなかで、悩んだり、苦しんだりの葛藤もあります。しかし私たちが学ぶべきは、そのなかで、なぜ、ぶれずにやり抜いてこれたのかという、そのエネルギーなのです。師を持ち、親の背中を見て、その生き様に学ぶ ――昔から受け継がれてきた、私たち日本人の学び方です。