2015年 東京中上級・A 第2回 (2015.3.11)

普段の挨拶も自然に心を込めてできるようになった  東京 自営業 男性 47歳 YK

 道塾でいつも不思議なのは気で投げられると、笑ってしまうという事です。調和力のなせる技でしょ うか。争う気持ちは起こってきません。他の武道で投げられてもこういった気持ちになった事は今ま でありませんでした。自分自身の中では調和、融合という境地には、まだ程遠いですが、少なくとも調和、融合からかけ離 れている自分を自覚することは、できるようになったと思います。
 現代武道の中で日常的に行われている礼法が、かえってその人間の状態を悪くしているような事があ るというのも、正直驚きでした。正座も正しい座り方でないと、ちゃんと力が入らなかったりする、まるで意味の無いものになってし まうとは…
 正しい礼や正座をするなどの事は、単に形式的なものだと思っていましたが、人間の持つ本来の力を 引き出して行くと言う意味が、内蔵されていた事など、以前なら想像もつきませんでした。
 私は居合 を稽古していますが、今では演武の際の礼や刀礼が、非常に大切なものと実感して行えるようになり ました。それにつれて普段の挨拶も、自然に心を込めてできるようになったと思います。

 

さらに深く理解できるよう謙虚に取り組んでいきたい  東京 WEBディレクター 男性 30歳 KH

 今回も、さまざまな気付きを得る事が出来ました。貴重な経験をさせていただき、ありがとうございます。毎月、定期的に宇城先生にお会いし濃密な時間を過ごさせてもらっている事で、統一体になった際の感覚がどんどん変化している事を感じております。
 統一体になった上で相手を投げるという検証を例にすると今までは、統一体になると自分の身体が強くなり、投げられた相手は相対的に弱くなったという対立や勝ち負けの感覚が強かったのですが、最近は、統一体になると自分の体だけでなく相手の体も強くなったという感覚が投げる前から分かるようになり投げるという動作は、投げる側vs投げられる側という対立の話ではなく、一つの統一した2人の身体が密に連携しているだけなんだという感覚を持つようになりました。
※自分の手足を動かすような感覚で相手の体を投げるイメージになりました。
 また、段々と世の中の95%は未知の世界だという事を日々の生活でも自覚できるようになってきまして、仕事や家庭との関係がより良い方向へ変わってきたように感じております。日々の生活のなかで、自分の思い通りにいかない事や分からない事に数限りなく出くわしますが、その一つ一つに対して知らぬ間にストレスを蓄積させ、居ついた状態になっている事が自覚できるようになりました。そんな自覚をした時は、自分は生かされている事を思い出し、95%は未知の世界であるという謙虚さを思い出して心をひらくように心がけております。そうすると、ふっと周りの空気が変わり、人との関わりがうまくいくようになりました。気の理解はまだまだ初級レベルだと感じていますが、さらに深く理解できるよう謙虚に取り組んでいこうと思います。  

 

大変に印象深いご講義でした  埼玉 団体職員 男性 59歳 YS

 今回のご講義で一番印象に残りましたのは、周りと調和することが出来なければ全体力を発揮出来ないことを検証で間近に示していただいたことでした。また気をキャッチするアンテナが開いていないとひとつのことに執着してしまって、身の周りを守ることに意識が行かなくなってしまうことの危険さも感じました。
 私も過去に何度か、自分の本質的な欠点を指摘していただいたことがありました。自らもおぼろげに感じていることでも、頭で考えればそれなりに落ち込みます。しかし、それを身体で受け止めてそれから先にどう活かしていくか。その時こそ自分が大きく変化できるチャンスなのだと思います。まさに親が仮に存命であったとしても、いまさら言ってはもらえない有難いお言葉をいただいたのだとの思いでふり返りました。
 相手を投げる者が強くて投げられる者が弱い、だから強い者になりたいということではなく、むしろ投げられたときにはまた第三者を投げることが可能になることから、投げられたときのスピード感覚で日常の事柄に当たっていき、周りの人たちに乗数倍で伝播していければ、世の中はオセロの最終局面のように劇的に変化していくのだと感じました。変化するのが難しいと思ったら、また変わる必要もないと思ったら、自分の狭い世界と先短い時間の中で腐っていくだけです。そうでない生き方を求めようと感じた大変に印象深いご講義でした。