季刊『道』 190号

読者の声| 季刊『道』 190号(2016年秋)  

阪長さんの記事、子育にも共通  静岡 競輪選手 38歳 男性 EM


『道』の内容は自分にとりましては難しいことが多々ありますが、読ませていただきますと自分との考え方の違いや事に対する着目点も違えばそこに対する皆様の覚悟は桁違いに違うと自分の小ささに気づかされます。宇城先生と中村桂子さんの対談では今まで生きてきた命をつないできた生物、植物、地球。まず、今豊かになってしまってこのような世の中にしてしまった自分たちを昔をよく知り、手本となることに立ち返り、見直して行くべきだと思います。自分が変化し、自分に携わる方々自分の家族が変わっていけたらと思います。自分の子供が野球をやっていますので毎回阪長さんの記事を楽しみにしているのですが、日本の野球との考え方指導法の違い、出てくる言葉に感心させられます。自分が子育てしていても共通することが多く、自分を見直させていただいています。

船橋氏の行動力と信念に圧倒されました  静岡 医学療法士 53歳 男性


ハニーファーム代表 船橋康貴氏の行動力と自然から学ばれたpureで広い信念に圧倒されました。
「人の為に生きる事が最良の人生だ」。私が常に考えている生き様にピッタリと合う人物像です。私も「患者様の為に生きる」日々を過ごそうと改めて誓いました。すごいです!

自分が成長していく為の教科書が季刊『道』  福島 30代 男性


巻頭対談の中村桂子さんのお話にある、生命を科学ではなく、生命誌という見方で捉える事が大事なのだという考え方が本当にその通りだと感じました。
また宇城先生のお話に興味深く質問されている様子が分かりました。
「気づく、気づかせる」にあった、人が産まれた時から物としての生産ラインに乗せられてしまうという事に対しての本当は人間は、そうではないという中村さんの答えが「生命誌マンダラ」なのではと思いました。これは生命が歩んできた歴史を忘れてはいけない、科学というものがもっと謙虚にならなければならないという事だと思います。生命というものに対して、真剣に向き合おうとすれば、謙虚にならざるを得ない、世の中を全体で観なければ生命という事を分からないのだと思いました。それを解き明かす、正しく捉えるためのエッセンスがこの巻頭対談にはこれでもかと内包されていると感じました。
本当に様々な分野の科学者、研究者と呼ばれる人達に心して読んで頂きたいような対談の内容です。

ゴディバのジェローム・シュシャンさんのお話は、弓道、ビジネス、欲や、それに対する自分自身の心との戦い方など、今の日本人より、ジェロームさんのほうがよっぽど武道というものを正しく学んでると感じてしまいました。
また外国の方だからこそ日本武道の良さが分かり、自分達日本人が如何に、武道というものを間違って認識しているのか分かってしまい、本当に恥ずかしく思ってしまいました。正しい心とは当てようと気持ちを捨てる事。本当に深い言葉です。

ハニーファームの船橋康貴さんのお話はまさに行動が道を切り開くという事だと思いました。そこにはビジネスを通して感じた矛盾、ミツバチという自然を通しての気づきと、様々な紆余曲折があり、読んでいて引き込まれてしまいました。その後の行動も、本当に危機感を感じられたからこそ、自分を無にしての行動に繋がったのだと思いました。大脳を1 割、肚を9割とありましたが、これも心から動く、という事が大事なんだと本当に良い学びになるくだりだと思いました。

野村哲也さんの連載ではブータンの国の物の見方、考え方が詳細に分かり、そこにはやはり大きな、豊かな自然、それと共に、生きる、生きようとするブータンの国民性があるのだと思いました。またその国の自然に沿った教育というものが、人間が人間らしく生きていく事のできる方法なのではと思いました。野村さんの写真を見てそのような気持ちになりました。

阪長さんのお話では、「ただひたすらに黒子となって彼らの将来に必要な水と肥料を探し、最適な量とタイミングを見極めて、与え続ける事」とありました。現代日本の、自分の実績や学校の名誉の為に野球を子供たちに教え込む高校野球やスポーツ界はこの言葉をどう捉えるのでしょうか。おそらく、名誉やお金の為に野球やスポーツを教える事が子供の為という認識ではないでしょうか。またメディアや親も子供をそのように洗脳してしまっているのだと思います。巻頭対談で宇城先生が、高校野球の練習でボランティアを取り入れてはと提言されていますが、そのような事をすれば、昨今のスポーツ界のような不祥事は一掃されるのではと思いました。

「今日一日を生きる」ではダルク代表の近藤さんの手記において、ハイヤーパワーに降伏する、というところがありましたが、これこそ、謙虚に生きる、自然の法則に身を委ねるということだと思いました。薬物依存という事からの回復が、『道』で様々な方々が語られる事との共通点があり、それだけ『道』の内容が、世の中の真理をついてるのだと実感します。

「気づく、気づかせる」では人間が生産ラインに乗せられているという事。
それを巻頭対談にあるよう、生命誌としての生命、人間としての人生を歩まなければならないという事と繋がり、またその生き方が如何に今までと違うのかが、様々な事象、実践を通して読み取る事が出来ます。
またそのようになってしまった原因も詳細に記されていて、現代日本の様々な歪み、問題の原因がすべてが解かれている、と実感する事ができます。
例えば病気など異常があっても薬などで対処療法で、その本来の原因を取り除こうとしない事。結果、またどこかで歪みが出てきます。それは衝突や対立なのだと思います。この構造を学び、自分が成長していく為の教科書が季刊『道』だと思います。本来ならば、仲間で集まり、この季刊『道』を用いて、毎号、どのような事を感じたのか、何ページの誰々のどの言葉が、と学び尽くさなければならないくらいの内容が詰まっていると思います。
本当に何回も読み直し、自分を変化成長させていきたいと思います。

「命」について深く学ぶことが出来ました  福島 公務員 40代 男性


今号は「命」について深く学ぶことが出来ました。

中村桂子先生の「生命誌」という概念を知り、我々人間がこの地球の所有者であるかのように振る舞っていることの愚かさと、人が自然の理(ことわり)から乖離して「ヒト」という何か別の存在になってきているのでないかという強い危惧を感じました。

そして、ハニーファームの船橋康貴先生の記事を読み、人は「人の世界」という部分だけに囚われ、大きな循環の中にいることに気付かず、我欲のために行った行為(農薬)で、その循環を構成している小さな生命(ミツバチ)を絶滅の危機に追い込み、結果として自らの種としての命をも危うくしていることに驚愕を覚えました。

しかし、宇城先生と中村先生の対談にもありましたように、人類が滅びたとしても地球は何事もなく回り続け、人という種が消えた生命の循環と歴史が地球の終わりまで続くのだと思います。

では、なぜ人は生きているのかという疑問が頭に浮かびました。シンプルに言えば命を繋ぎたいからだと思います。食べるのも、飲むのも、種を残す行為も、食物を生産するのも、それを買うために労働でお金を稼ぐのも、この人間社会で行われている全ての活動は人の命を繋ぐためのものだと思います。しかし、生産性を高めるため、競争に勝つため、自分だけが生き残るためといった、人の我欲に塗れた、この世の摂理から乖離した、本来の命を繋ぐための目的から離れた行為がこの世には横行しています。その結果として、我々人類は、自然の力を享受できない、地球から浮いた存在になっているように感じるのです。

子どもや妊婦さんが、連なった大人の集団を引っ張るという検証は、自然の力を享受している、地球と繋がっているということだと思います。それは物理的な力ではなく、目に見えない調和の力。争いを生み出さない力だと思います。これが真の命を繋ぐ力であるのに、人間は、「自分だけが」「相手がそう思っているなら自分だって」という対立構造の悪循環に陥っています。

今号の誌面で紹介された、江戸時代の日本人やネパールの人々のような生き方が出来れば、このような問題は決して起きないだろうと思います。

では、人の命を繋いでいくためにはどうすれば良いのか、人が幸せに暮らすためにはどうすれば良いのか、人が変わるにはどうしたらいいのか。それは、学ぶことだと思います。学校で教えられるペーパーテストのための知識ではなく、生きるための知恵を学ぶこと。それは、季刊『道』で紹介される、真の実践者の生き様に触れる事だと思います。そして、実践者の生き様を自分に写し、自身の日常で、その立場で行動することなのだと思います。この行動を続けていれば、船橋先生の記事にもあったように、不思議な縁が紡がれ、次から次へと繋がっていくように感じます。そして、その連鎖は、今、自分の中でも実感できるようになってきています。本当にありがたいことです。

38億年という地球の生命時間に育まれたこの命、大切に使いたいと思いました。自分が幸せになりたければ、他者を幸せにすること。部分を良くするのではなく、全体を良くすることが、真の幸せにつながるのだと感じることができました。

今号も素晴らしい気付きをありがとうございました。次号も心より楽しみにしております。