2014年 東京中級 第5回 (2014.09.09)

今の状況をすべて見透かして頂いた     東京 会社員 男性 45歳 ST
  講義の冒頭に、先生がいつもどおり幾つかのビデオを紹介してくださり、そのすぐ後の最初の方のお言葉で、直接私の名前を呼んで下さり、コメントを頂きました。 「(見返りを求める)努力は報われない。『○○君、最近頑張っているね。』というのは、結局利用されているだけ。感謝の心が無いと調和にはならず、見返りを求める心では対立を生む。」 先生に名前を憶えて頂いている感激と、それ以上に、私の今の状況をすべて見透かして頂いてのコメントでした。

ここ一年、特に直近の一年ほど自分の中でもやもやしていたものを一刀両断にして頂き、自分を取り巻く環境と自分のむき出しの気持ちをズバリ言い当てて頂き、思わず心の中で「あっ!!」と大きな叫び声が出て、思わず天を仰ぐ気持ちになりました。その後、実演の例にも使って頂きました。腰に3名ほどつかまれて、踏ん張ろうと思っても、その意識をする前に体が運ばれてしまい、自分が如何に、気が通っていない根なし草のような状態かを実感しました。この間わずか10分程度の間のことでしたが、自分自身の生き方や、仕事に対する考え方で見透かして頂き、冷徹な事実と自分の勘違い・甘さをご指摘頂いたと思いました。

先生からすると、恐らく私の迷いやくすぶった気持ちは、私の講義に出席している立ち振る舞いから明らかだったのでしょう。現在、小さいながらも事業部の経営陣で、事実上のNo.2として従事して丸3年になります。事業部の存続の瀬戸際で赴任して、最初の一年半ほどは、 「ここの事業部を立て直す。この人たちともう一度会社を盛り返す」という強い気持ちで、 かなり体に無理を強いながらも、気持ちとしては「自分が人の役に立っている」という高揚感から、それほど苦にはなっておりませんでした。 一年半ほどたったころから、事業部の業績も回復し、経営陣も半分以上入れ替え、それまで数名の個人プレーで行っていた経営を、チームプレーにするように移行しようとしました。

しかし、残念ながら、経営メンバーの個々の力量の差もあり、私の負荷は引き続き高いままで、 その中で、他の外資系企業との合弁会社形成の話が発表になり、事実上会社が売られることになりました。 「私はここからはもうやらない。各自の責任で行ってください」という宣言はして、 自分の負荷を下げるようにはしておりますが、結局重要な局面には直接乗り込む事が続いており、それほど体力的に余裕が無い状況が続いています。その間、最初の一年半密な関係で働いた上司(米国人でコンサルタント出身)は、すでに現在のポジションから卒業し次のキャリアステップを探しているのか、合弁会社の設立リーダーになり奔走しており、その間の日本の現状には、理的に関与が薄くなっています。

その結果として私の負荷が下がらないという事情もあります。私がもやもやしていたのは、「利用されているだけ」という気持ちは強くもちながら、そう感じてしまう自分に、一種の罪悪感を感じていたからでした。 「人のためになるために、人の倍働こう」、そう思ってはいるものの、それが利用されている状況への不満。 ただ、自分として今まで掲げていた「一生懸命に真剣に生きる」というポリシーに対して、 周囲の状況を理由にそれを怠ることへの後味の悪さ、そのような感覚でした。ただ、これらは、先生が仰るような調和が生まれている状況では無く、自分自身の心の深いところで、 「良い人と思われたい」「自分しかできないから=自分が出来るところを見せたい」という色気があったため、本当の意味での深い感謝に基づいた厳しさが出せないためだと感じました。

前述のように先生に「利用されている」とご指摘頂き、目が覚めました。先生が、多くのアスリートを例に「利用されている」とご指摘されているような状況が、 大きさや重さは比較にならないぐらい全く小さいながらも、私を取り巻く環境で起こっている事が自覚できました。最終的には、自分が何を望むか、という事を見据えて行動したいと思います。私は、人に感謝される人生を送りたいと思っています。そして、自分の能力を発揮する事で人の為に役に立ち、世の中が良くなっていく、大げさな言い方ですが、例えそれが市井の少数の方であっても、そういう人間として人生を全うしたいとおもっています。

ただ、その為に、もっと強くならなければいけないと思いました。また、もっと賢く、また上手くならなければならないと思いました。今回の講義で、既に先生の講義を5年も聴かせて頂きながら、全く初めてお聞かせ頂いたお話しのように、 本当に天を仰ぎ見て、しばらく動けないほど心を動かされました。 本当に素晴らしいお話と体験をありがとうございました。これからも、本当に遅い歩みではありますが、少しでも自分を高めたいと思います。 どうぞ、よろしくお願いいたします。