2013年 東京中級 第6回 (2013.11.13)

何事にも染まらない意志を持つ   東京 アルバイト 38歳 男性 MK

 今年最後の講義でしたが、あっという間の1年でした。
 今回の講義は、時間のお話、リハビリのお話から桜井高校の森島先生を例にしたリーダーについてのお話、渡り鳥のお話、空間のお話など多岐にわたりましたが、それらがすべてつながっており、とても為になりました。
 その中でも、渡り鳥のお話は非常に考えさせられました。先生が鳥のように両手を羽ばたかせる実演をしてくださり、「渡り鳥は何も鍛えなくても長距離を飛ぶことが出来る。ゾウやライオンも鍛えていない」とおっしゃりました。
 人間を除く、地球上すべての動物は、自然の理に従って生きています。しかし人間は、自然の理に反することばかりをしています。筋トレ・自己中心的な考えなどが横行し、「心」を失っています。はたして、人間の「理」とは何だろうか?そんな考えが浮かびました。

 先生を囲んでの懇親会の時、先生が箸置きを使った気の検証を行って下さいました。箸置きの上にお箸を置くと身体が強くなり、お箸をテーブルの上に直置きすると弱くなる。昔の日本人が大事にしていた所作一つ一つが理にかなっていることを目の当たりにし、我々祖先が積み重ねてきた伝統所作が、人間の理なのだと思いました。
 そして、その所作が欧米化や時代の流れと共に失われていく。文明により便利になったことも一つの理由かもしれませんが、一番大きいのは、先生のおっしゃる情報過多による「マインドコントロール」なのだと思います。

 今回の講義により、現在日本が置かれている非常に危ない状況が伝わりました。今、私達が行わなくてはいけないことは、祖先から受け継がれてきた所作を見直して復活させ、日常から「気」を養い、そして「利他の行動」「共存共栄」を実践し、究極の目標である「愛」につなげていくことだと思います。
 人間が普段から「気」を養っていれば、世の中の不祥事や殺人事件が減っていくのではないかと思います。
 先生がおっしゃったエンドロピー増大の法則からすると、現在の日本は冷えたお茶です。熱いエネルギーを持たないところからは、何も生まれません。世の中は、冷えたところで議論したり、競ったり争ったりしております。そうではなく、先生のおっしゃる、「レベルの高いところ(お茶が熱いところ)」で、日々切磋琢磨することが大切だと思います。そのためには「一人革命」を実践し、「大河にコップ一杯の水」のごとく、何事にも染まらない意志を持つようにしていきたいです。
 
 先生を囲んでの懇親会、とても緊張しましたが、得られる物が多かったです。箸置きの件もそうですが、お箸やコップを持ったときの呼吸の有無、「気」によって、型をはじめ所作を正しく落とし込むお話を頂きました。
 こんな短時間でためになるお話を頂けると言うことは、先生に対してもっと心を開けば、さらにいろいろなお話を頂けるのではないかと思いました。先生に対して粗相の無いよう、けれども、いろいろなことを吸収できる心を持つようにしていきたいと思います。
 とても充実した1年となりましたが、最後の講習で、自分自身の課題点が炙り出されました。講習中、プロジェクターを片づけるシーンが何度かありました。一番近くに居たのにも関わらず、皆さんよりワンテンポ遅い行動を取ってしまいました。まさしく、頭で物事を考えていることになります。
 先生からもご指摘いただきまして、非常に恐縮しております。来年は指摘されたところを改善出来るよう、実践していきたいと思います。1年間、大変ありがとうございました。