『大東流合気柔術 秘伝目録 一ヵ条編』をKindle版で出版しました

大東流合気柔術好評のため品切れとなっておりました、
『大東流合気柔術 秘伝目録 一ヵ条編』が
Kindle版に加わりました。

【Kindle版】
大東流合気柔術 秘伝目録 一ヵ条編
1250円

 

武田惣角から武田時宗、そして近藤勝之免許皆伝へと引き継がれた大東流合気柔術。
本書では、その秘伝目録一ヵ条30の技を、詳細な写真と解説で紹介しています。
大東流を学ぶ方々のための格好の入門書です。

巻頭に著者・近藤勝之氏が「謝辞」として掲載された文章には、口伝・秘伝をどこまで公開してよいかなどたいへん迷われた末に、大東流を称する技術書・ビデオが氾濫するIT時代に、正当なる大東流合気柔術の技術を残しておく必要性を感じて出版に踏み切ったとあり、師・武田時宗氏が示された「教え伝える」についての姿勢を綴ってくださっています。

   ◇   ◇

・・・中興の祖武田惣角先生は、同じ技を二度教えなかったと言われております。先師時宗によりますと、先師が惣角先生の教授代理を務めていた当時、門下生に親切に教えたり何回も同じ技を教えると、「このお人好しの馬鹿者」と何回もお叱りを受けたそうです。「同じ技を二度教えると、二回目にはその技の返し技(裏技)を考えてやられてしまう。二回目は違う技を教えなさい」と、小生は先師より何回も注意を受けました。

 先師が元気に活躍されていた頃、網走の本部大会には全国から多数の門下生が集まりました。毎回行なわれる宗家直伝会に小生が出席した折りには先師の命により、先師の宗家直伝会と小生の宗家代理直伝会との二会場に分けて行なったことが数回あります。当然、前日には先師より小生の指導内容について詳細に指導を受けるのですが、小生が先師より習った技は教えてはならないとのことでした。つまり、最初の一本捕でも、大東館で教えている技と小生の習った一本捕は(基本型だけでも何本もありますが)一切教えてはならない、大東館で教えている技だけを指導せよとのことでした。

 先師が申すには、「本当の技を教えて明日辞められたらどうします。大東流の口伝・秘伝が流出してしまう」。また「千人のお弟子さんのうち本物は一人か二人ですよ、その人たちを見極めて本物を教えればよろしい。残りの人には教えることはない」とのことでした。お弟子さんからの質問内容、その人の実力・理解力、熱心さ、人物をよく見極めて先師は指導されておりました。この指導方法は、惣角先生より引き継がれたものです。小生が先師に疑問点をおうかがいすると、「君の実力が理解できる」と申しておりました。

 先師より受けた合気の説明の中に「ツン」「朝顔」があります。この「朝顔」を解くのに数年を要してしまいました。「よく解けた」と先師に褒められた時のことは未だに忘れられません。今では何回も先師の門下生に教えておりますので、天上より「この馬鹿者」とお叱りを受けております。・・・・

 

《目次》

謝辞 近藤勝之
刊行の言葉 スタンレー・プラニン
大東流史概説 スタンレー・プラニン
大東流合気柔術の六要素 近藤勝之

【立合10本】
一本捕/車倒/逆腕捕/腰車/搦投/裏落/帯落/切返/小手返/四方投 表/四方投 裏

【居捕10本】
一本捕/逆腕捕/肘返/車倒/締返/抱締/搦投/小手返/抜手捕/膝締

【後捕5本】
立襟捕/両肩捻/両肘返/抱締捕/肩落

【半座半立5本】
半身投/裏落/居反/肩落/入身投